夏侯惇三國志Ⅴにおいて奥の深い将である。

まず、三國志Ⅴにおける夏侯惇の特徴としては以下が挙げられる。

・既定では曹操と同様に平地型の陣形のみ扱える
・偃月・密集といった直接攻撃型の陣形を使える
・陣立スキルがあり君主・軍師と同様に陣形の即変更が可能
・速攻スキルを使えるが習得するのは遅め
・勇名・武力が高いが無双スキルが無いので包囲されると脆い
・相性が曹操と一致しており義理も最大値で能力全体も高め

夏侯惇をどう活用するかは曹操軍において重要である。まず、いずれのシナリオにおいても曹操とほぼ同等の勇名を持ち統率できる兵士数も多い。武力が高く、能力値も平均的に高いため気力の回復も早い。そのため軍の中では主要な都市を防衛したり侵攻時の中心となる将軍として存在感が大きい。夏侯惇は成長タイプが 10 でなおかつ速攻を 5 番目に憶える。すなわち経験値 41000 で速攻を使えるようになる。ここが重要なポイントで、夏侯惇の場合は経験値 41000 を超えるかどうかで役割が変化する。すなわち、速攻が無い場合は陣立スキルの使える普通の司令官といったところだが、速攻があれば曹操と同様、まず敵部隊を包囲したのち前衛の背後から速攻・突撃または速攻・連攻をするといった攻撃の主砲、まさにトドメ役になることができる。武力が 90 以上と高く陣形の即時変更が可能で攻撃力の高い陣形が使えなおかつ速攻も使える将と言えば夏侯惇以外には君主を除くと姜維・趙雲くらいしかいないため希少である。既定の経験値も勇名と同様に高めなので、後半のシナリオでは比較的早めに速攻スキルを習得する。このように育成に際してはこの経験値 41000 をひとつの役割変化のターニングポイントとして意識することになる。

夏侯惇は天変スキル役としても使える。なぜなら前線に配備できる将であり気力回復も早いから戦場に出る機会も多い。また鶴翼の陣と陣立スキルがあるからもし兵器開発で軍楽台を使えるようになったらスキルの連発ができる。また、速攻スキルで一気に距離を詰めて包囲した敵部隊を背後から叩くとしても、ここぞというターン以外は前線の壁役の背後でヒマを持て余していることも比較的多いのである。そこで天変・占卜を使える「山海経」を持たせるのに向いているのである。どのアイテムをどの将に下賜するかは以前にも書いているが、錐行の陣と陣立スキルが使えて機動力の高い夏侯惇なら速攻スキルを毎ターン使って体力を浪費しなくても最前線の壁役の後ろに位置取りすることができるので、ここで天変を使ったりその必要もなければ占卜を使うといったことができるようになる。

また他のアイテムとして名馬についてであるが、そもそも速攻スキルを使えるようになる名馬は呂布のように弓神スキルを使える将に最優先で与えるのが基本である。そこで曹操軍の場合、曹操が最初から持っている「爪黄飛電」を夏侯淵に与えるのが定石である。そしてもともと強行スキルを使える夏侯淵に速攻スキルを後から与えるのだから、もし強行スキルを使えるようになる「絶影」が入手できた場合は速攻スキルを使える夏侯惇に与えると良い。そうすると、これで曹操も加えてちょうど三人全員が速攻・強行の両方を使えるようになる。強行持ちは隣接する都市に 0 ターンで赴くことができるようになるし、速攻があれば援軍として駆け付けた戦場で急襲することができるのだから、これによって前線の防衛ラインが幅広く完成するのだ。なお、夏侯淵は速攻スキルを使える名馬と、あわせて「蛇矛」のように武力が 9 上昇するアイテムを持たせるとちょうど武力が 100 になりキリが良い。夏侯淵は成長タイプ 3 で弓神スキルを最後に憶えるので経験値 28800 で役割変化するのだが、これは後半のシナリオなら序盤から超える値である。

アイテム候補として挙げたこれらはいずれも必須のアイテムではないが、下賜することで夏侯惇の役割が変化するので速攻スキルと同じくいわゆるターニングポイントとなる。「山海経」はゲーム後半に手に入るので、最初からこのアイテムを前提に考えるわけにはいかない。そのためこのように追加で役割を変化させることのできる将が候補となる。夏侯惇は速攻スキルを使えるが、前述の通り比較的後半のシナリオで使えるようになるし、天変スキルが無かったとしても戦場での役割は果たせるので、候補として適格なのである。他の候補としては「山海経」には知力上昇効果もあるため、同じく曹操軍の郝昭に与えて軍師の資格を持たせるというのも候補になる。ただ前述の通りアイテム入手時期が遅いので、それまで郝昭が将軍のままとなってしまうという問題がある。やはり夏侯惇のほうがより理想的であり、城・関に籠もることが想定される郝昭には「墨子」を与えたいところである。この場合は夏侯惇の知力 70 が 76 となり、気休め程度だがほんの少しだけ敵の計略には強くなる。

郝昭に与えるアイテムであるが、すぐに軍師にしたいのであれば曹操が最初から持っている「孟徳新書」をさっさと与えればいいのだがその活用度合いを考えるとこれは少しもったいない。趙雲に何を与えるかによって決めるのが良い。まずゲーム中で趙雲が処刑などで死亡した場合、「山海経」より早く手に入るアイテムとして「墨子」があるのでこれを郝昭に与えることになる。あるいは趙雲が味方になったものの「六韜」が入手できた場合、これを趙雲に与えることで趙雲が沈着・反計持ちになり、余った「墨子」は郝昭に与えることになる。いずれも条件を満たさなかった場合、郝昭より優先して趙雲に「墨子」を与えたほうが良いので、その場合は郝昭に「山海経」を与えて戦場の後方で天変・占卜要員にする。つまり郝昭に「墨子」を与えた場合は「山海経」が夏侯惇に回ってくるという優先順位である。

もし「山海経」を郝昭に与えた場合は、夏侯惇には「青嚢書」を与えて治療スキル役にするという手もある。前述の通り夏侯惇は最前線のすぐ後ろくらいに位置取りすることが多いので、ここで自身と周囲の部隊を回復することができれば効果てきめんである。治療スキル役としては王異や張魯が代表的だが、足の速さや前線に位置する確率の高さで言うと、実は夏侯惇が治療役でも適任なのである。

郝昭が「墨子」持ちになった場合、城や関に籠もるのは得意な反面、郝昭はそもそも最前線に出るだけの機動力が不足しているので、戦場での位置に関わらず役割を発揮することができるよう仙術スキル持ちとして運用するのが良いだろう。郝昭は速攻も使えず機動力の高い陣形も既定では無いので足が遅いし、どちらかと言うと守備寄りのスキル構成であるので、スキルも戦場のどこにいても発動することのできる「仙術」「天変」「占卜」などが向いているのである。

そんなわけで一連の結果を受けて、機動力の高い曹操は敵を引き付けて一気に殲滅する幻術役、機動力がそれなりに高く挑発スキルも使え参謀である司馬懿は妖術役、夏侯惇と同様に曹操と相性が一致し義理堅く能力の平均値も高い盾役である郝昭が仙術役、そして曹操の腹心である夏侯惇が天変役ということで、曹操軍の重要な役回りが完成する。他には荀攸や賈詡や程昱のような軍師を天変・占卜役にする案もあるが、将軍である夏侯惇のほうが戦場に出る機会が多いためやはり適任である。イメージ的には軍師に比べるとちょっとあわないのだが、そこはご愛嬌である。

曹操軍の軍師の話をするなら、劉曄も優秀である。武力は低いが、使えるスキルが壁役に向いているため、平地での戦いが得意な夏侯惇と共に配置することもできる。荀攸らと同様に曹操との相性も近く、また曹操軍の軍師の中では賈詡や程昱のように長寿で後半のシナリオでも寿命死しないため、長く活躍が期待できる。陣形は既定では方円の陣と魚鱗の陣しか無いが、方円で壁役になっていざとなったら魚鱗で突撃することもできるため、この二つだけでも十分に役割を持たせることができる。壁役としては混乱・消火が使え、防衛戦においては落石・落穴・火計が使え、夏侯惇と同様に伏兵も使えるので森林で混乱した敵部隊に対して追撃したりもできる。

劉曄を軍師に育てるためには「孫子の兵法書」または「呉子」が必要なので注意が必要だが、「呉子」は序盤で入手可能だし劉曄は序盤から曹操軍にいるので優先度としては高い。夏侯惇とセットで都市に配置しておくと壁役と包囲役の両方を兼任できるのでパートナーとしてもピッタリである。

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