注目エントリとして「日本という国においてこの30年でどれほど収入が増えどれほど支出が増えたのか、つまり我々はどれだけ豊かになったのかをできるだけ客観的に書きたいと思う」とかいう長いタイトルの記事が出てきたので早速ツッコミ。

対象はもちろん専門分野である証券に関する記述である「日経平均はどれぐらいあがったのか?」ってとこな。

まず、株式にはキャピタル・ゲインとインカム・ゲインというものがある。 30 年前と公平に比較するのならば、日経平均トータルリターン・インデックスを見るべきだ。これは配当込み指数、すなわちインカム・ゲインも含めたいわゆるトータルリターンを表したもの。リンク先のデータだと 10 年前までしか参照できないが、実際にはトータルリターンインデックスにおいては 2018 年時点で 30 年前のバブル時の高値すらも上回りそうになっている。元の記事だと「そして日経平均株価は大体半分になった。ものすごく乱暴に計算すると、国の資産は半分になったと言ってもよいだろう。」とか煽っているが全然客観的でもないし公平なデータでも無いじゃん。なにこれ。

それに企業の稼ぐ力 ROE だって 1982 年以降、過去最高の水準にある。バブル時代の虚構の景気とは異なり、業績の裏付けが伴う時代となっており、それが数字にも現れているわけじゃん。

専門分野以外の記事内容については知らんが、ひとつのデータを取ってもこれでは、だいぶマユツバものだなという印象がある。とはいえ他のデータについては知らん。

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