サラリーマンの世界には、ただ目の前の仕事をこなし続けていたらいつの間にか出世してしまい、引くに引けない状態となる人がたまにいる。
もともと仕事が好きだったわけでもないし、会社に忠誠心があるわけでもないし、ただ目の前のことをやれと言われたからマジメにやってきただけだ。
ところが、年をとってからふと振り返る。我に返ってみると、引くに引けなくなっているのだ。
出世した結果、責任はとても重くなる。周囲からの期待も大変な重圧である。プライベートの時間もほとんどなく、休みの日ですら忙殺されてしまう。
大好きだった釣りも楽しむ時間がない。
本当に自分がやりたかったことは何だろう。
こういった人は、エリートコースにのって周囲からは羨望の眼差しで見られていたにも関わらず、ある日とつぜんスパッと辞めてしまうのだ。
世を捨てて、気がつくと、山奥で木こりになっていたりする。
このような人間はサラリーマンだけとは限らず、意外なことに、ときにはアイドルグループにも見かけられる。
そう、大野くんである。
大野くんはもともとダンスがしたかった。いつの間にか、アイドルになってしまっていた。
最初は人気があまりなかった。初期のライブでは自分のうちわが少なかった。
彼は負けず嫌い。ナニクソと思い、頑張ってしまった。
頑張った結果、国民的アイドルにまで出世してしまった。
そう、引くに引けないことになってしまったのだ。
唯一のオアシスであったプライベートの休日も、ついになくなってしまった。
癒やしを求めて、胡散臭い女と付きあった。
しかし、事務所の圧力で別れさせられてしまった。
いまや、うつ病一歩手前である。
虚無。
まさに虚無である。
そりゃ辞めたいわけだ。
ところで他のみんなはどうであろうか。
相葉ちゃんは一般人。
一般人なのに夢を見てしまったから、このままいつまでも仲良く、五人で夢を見続けていたい。
MJ はどこまでもアイドル。このグループはまだトップじゃない。
アイドルとしてプロデュースして、いつかこの五人でトップを取りたいと思い続けている。
翔くんは権力志向。とにかく権力。
政治家のドラ息子とも当然仲良しである。
天皇や皇后、総理大臣の前で歌を歌うとか最高。富と名声が手に入れば何でも良い。
今のままでも良いし、グループがなくなってより政治寄りの活動に傾倒するのも良し。
ちなみに最近は空いた時間と余った金でパパ活に勤しんでいる。
そんな中、ニノは特に何も考えていない。
純粋に一切何も考えていないのだと思う。
自分はといえば、この中で言うと、ニノタイプだと思う。