毎年この時期になると株式関連の書類が大量に届く。内容はといえばだいたい配当金計算書と議決権行使書。
以前は適当に賛成と書いて送っていた。が、時代の流れとして 2015 年にコーポレートガバナンス・コードが施行され機関投資家のスチュワードシップ活動が今までに無いほど注目されるようになった。今後ますますこの傾向は強まるだろう。
議決権について、社外取締役が取締役全体の 1/3 未満なら反対票を投じるという機関投資家を例に挙げ、日経新聞でも取り上げられている。
国内外の機関投資家が日本企業に対する議決権の行使基準を一段と厳しくしている。社外取締役が全取締役の3分の1未満なら反対票を投じると三井住友トラスト・アセットマネジメントやスイス系のピクテ投信投資顧問は決めた。社外取締役の独立性などを厳しく問う動きもある。「外部の目」による監視で経営の質の向上を促す狙いがある。6月下旬から本格化する株主総会では企業と株主のせめぎ合いが激しくなるのがほぼ確実だ。
記事の続きでは三井住友トラスト・アセット、三菱 UFJ 信託、野村アセット、 JP モルガン・アセット・マネジメントの取り組みも紹介されている。このような時代の流れを受けてか 2019 年 3 月期の株主総会議案を見ると、それはもうありとあらゆる企業が新任の社外取締役候補を大量に擁立しているというかなり面白い事態となっている。一体お前ら何者でどこからやってきたんだよ。
社外取締役になるような人物というのは、概ね本業での実績を通した経験や知識を買われているわけで、つまり本業でも当然たくさん稼ぐし、副業として社外取締役をやることでも高額な報酬を得ているわけである。
いま副業解禁の流れというのもあって代表的なところではみずほが副業解禁とか言っているけど、副業やるならやはり他社の取締役をやるのが高収入だし圧倒的にコスパ良い。なのでどんどんやったら良いと思う。
もちろん引き合いがあってそういう立場が務まる人間はごく一部の人だし、富める人はますます富むということで格差が広がるのに貢献するという、なんとも皮肉な話だ。