昭和の頃からか知らんけど結構昔から、男は外で働くもの、女は家の内で働くもの、といった役割分担があったと言われる。そのせいか、外で働いてカネを稼ぐのと、家の中で家事育児をするのか、等価だと錯覚しやすい。下手すると働いてカネを稼いで来る側が誰のおかげでメシを食えてんだとか暴言を吐いたりする事案もある。

実際には、会社員いわゆるサラリーマンと、専業主婦では、次のようなそもそもの違いがある。

専業主婦:家族を「経営」し、生命や人生といったものの最高責任者である。
会社員:株主によって選出された経営陣に雇用され、他人の事業に従事している「従業員」である。

ただ子に食事を与えるだけ、寝かすだけ、それでも責任は重大である。さまざまな経営リスクを考慮し、真の意味で休みは存在しない。もし死亡など重大な事案があれば、罪に問われることもある。

一般の会社員は、業務の指示に従う。何かあれば上司が出てきて謝罪するし、最終的な責任は経営陣が担う。上が決めたことだからと時に理不尽な命令に従うことでストレスもあるかもしれないが、そもそも守られた存在だということを忘れてはいけない。

この両者が対等なわけがないのである。

もし外で働く者が対等だと言うのならば、少なくとも取締役として多くの人たちの生活を支える会社経営の責任を担っていなければ対等にならないはずである。従業員なのだとすればたとえどんなに給与収入が高くとも、半分とは言わずとも家の「経営」にある程度は必ず参画し、発言権を得なくてはならないのである。

単なる会社員が配偶者に対しておこなう言動も、また専業主婦がどんなに大変か配偶者に対して主張してもなかなか伝わらないのも、このあたりの理解が広く一般化されていないことが原因と考えている。

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