そういえばなんでこんなもの後生大事に持っているんだ、と突然我に返りクローゼットに眠っていたスーツをすべて処分して捨てた。そもそも着る機会が無いというのもあるのだけど、ジムクロスバイクなど運動で鍛えることで筋肉質な体格となり昔着ていたような細身のスーツを着ることができなくなってしまった。着れない服を持っていても仕方ないというわけである。

取引先を訪問するなどの理由で外出がある場合はスポーツ自転車用のバックパックにビジネスカジュアル一式を着替えとして入れて行けば良い。では着替えはどこでするのかという問題があるのだが、そこで役に立つのがエニタイムフィットネスである。更衣室やシャワールーム、ロッカーも完備であり、無料のウォーターサーバーまである。もちろんジムの本来の利用目的としてはワークアウトなのだが、系列の店舗を利用したりワークアウトを一切せず入退館しても利用規約に反しないしまったく問題ない。また自転車で移動中に困ることといえばトイレなのだがこれもエニタイムフィットネスに立ち寄ることで解決できる。エニタイムトイレと言っても良いだろう。夏場などはタオルも一緒に持ち歩いてシャワーで汗を流すのに利用しても良い。都内のどこにでもあるし 24 時間営業なので便利である。

移動にかかる所要時間として、ちょうど参考になる情報がある。日本の道路はストップ&ゴーが多いのでストレスの少ない電気自動車にしましょうという主旨なのだけど、こちらの実験では渋谷から本郷まで 1 時間の走行のうち信号待ちの時間が 22 分もあったという。渋谷から本郷までなら自転車ですらノンビリ走っても所要時間 40 分程度であり 1 時間もかからない。クルマの場合、走行時間の 1/3 もが信号待ちというわけである。

国土交通省が公表している「道路交通センサス」によると、東京・名古屋・大阪などの都市圏における一般道の車両平均時速は約 15〜17km/h となるらしくやはり自転車とまったく変わらないことが確認できる。自転車でも直線なら時速 30km 程度は出るし、信号待ちのたびにストップ&ゴーを繰り返すことになるため、平均時速ではおおよそ 15km 前後に落ち着くことになる。これならクルマとまったく一緒だ。すなわち都市部であれば自動車でも自転車でもマラソンでも平均時速でのスピードはほぼ一緒ということになる。むしろクルマの場合、一般道の混雑状況等によってはそれより遅くなるし渋滞に巻き込まれると抜け道など知っていないとかなり煩わしいことになる。そんな状況下においては渋滞という概念が無い自転車でどんどんクルマを追い抜いていくことができるので気分が良いというものだ。

とまあこんな生活を送っているのでスーツなど着る機会が無い。もちろん冠婚葬祭の類に出席することも無いだろうから、スーツのうちかろうじて着れそうな 1 着だけは残してあとはすべて処分したという次第である。

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