厚生労働省の人口動態調査の速報値が話題になっているようだ。

先に進んだ国、略して先進国から順に少子高齢化という現象が発生し、いわゆる多死社会が訪れると言われている。いま世界で最も先に進んだ国は日本である。日本こそが世界の先進国であるという言い換えもできよう。人口増加が続く半面、社会の高齢化はいずれ途上国にも広がっていく。水や食料や資源の確保、労働力不足や社会保障格差など、いま先進国が抱えている問題はやがて世界規模に広がっていくことであろう。

ただこれはごく自然な現象であると言えるだろう。まず地球には限りがある。人口が未来にも無限に増え続けるとなれば、いずれ地球は人間であふれてしまうし、限りある資源も枯渇してしまう。したがってどこかで人口増加がピークを迎え頭打ちをしてもらわないといけない。人口が減少するために戦争や災害で何百万人も人が死んでいくのが望ましいと言えるだろうか、もちろん否である。だからなるべく誰も不幸にならない方法で、自然に人口を減少させていく方法、それが少子高齢化社会の到来なのである。人類全体で見れば、やがて訪れるのが当然のごく自然な現象であると言えるのだ減少だけに。

さてそもそも人類の歴史を振り返ってみよう。歴史上の推定地域人口によると西暦 1 年頃は 3 億人、西暦 1500 年頃は 5 億人だったという地球の人口は産業革命を経た 19 世紀に 10 億人に達した。 19 世紀末 16 億人だった世界人口は 20 世紀に入り人口爆発と呼ばれる急激な増加を経験する。 1950 年におよそ 25億人、 1987 年に 50 億人、 1999 年には 60 億人を超えた。世界人口白書 2023 によると今年の世界人口は初めて 80 億人に到達したという。 2050 年には 90 億人以上に到達するという推計もある。いっぽうでさらに未来の 2100 年の世界人口は 63-87 億人と予想され、どこかをピークに人口減少に転じることがこれらの予想から読み取れる。

そう、つまりは世界人口は現時点ですでに明らかに増えすぎてしまっているのである。だからそろそろどこかで減少に転じなければならないのだ。

年金がもらえるかもらえないか、介護をしてもらえるかもらえないか、大勢にはあまり影響の無い話なのである。なぜならお金をもらおうと世話をしてもらおうと、どのみち年齢を重ねると人は死ぬのが運命だからなのである。
こういう話題をもとに国や政府に文句を言ったり不平不満を社会にぶつけたってなんら建設的な議論にはならない。

本当は、少子高齢化対策ではなく、尊厳死やそれにまつわる延命倫理などについて議論をするべきなのである。
また社会全体では、人が少なくなっていくということにあわせる形で、膨張した社会を縮退させていくことも考えていく必要がある。

生物ですが、年齢を重ねると、死にます。それは当たり前のことなのです。
自分の力で立ち上がれなくなったり歩けなくなったり食事をできなくなったら、それはもう終わりの時が来たということなのです。
死と向き合いましょう。

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