SaaSes のサーバー道場にダメ元覚悟で申し込んでみたら、ありがたいことに審査をパスして専用サーバーの無償提供を受けられることになった。大変感謝である。
ちなみにどのプロダクトで申し込んだかというと例によって Automatic Ruby なのだが、もっと有名で優れたソフトウェアを開発している人はたくさんいると思うので、ぜひオープンソースソフトウェアの開発者の皆様はサーバー道場に申し込んでみると良いのではないかと思う。まあ中の人では無いし審査の基準は知らないのでそれが通るかどうかは別問題であるが。
そういえば最近人に会うとチラホラと使い方などを聞かれるのであらためてここに書いておく。まず Automatic Ruby はすでに RubyGems パッケージとしてリリースされている。したがって以下のコマンドで簡単に手元の環境にインストールすることができる。
あとは automatic -c の引数にレシピ名を指定するだけである。レシピの書き方はこのブログの過去ログを丸々コピペ等しつつ適当に修正すれば良いだろう。
それと automatic-config というコマンドが追加されている。たとえば以下のコマンドを入力するとホームディレクトリに ~/.automatic というディレクトリが作成される。ここに自作したプラグインなどを置くとそれらも読み込まれるので便利である。
できあがったプラグインで有用なものがあれば GitHub で気軽に pull request していただけると大変ありがたい。
さて、 VPS 百花繚乱時代というわけで自分も当然のようにいろんなベンダの仮想環境を利用しているわけだが、公平に見ても SaaSes はかなり頑張っていると思う。まず 1,500 円以下の予算枠で見た場合、 SaaSes の LT プランの月額 450 円は国内最安の価格帯である。それでいてストレージが 50GB あるのもありがたい。データ収集系のクローラーを動かしたり、バッチ処理なんかをするのに適しているだろう。もちろん自動処理には拙作の Automatic Ruby はうってつけである。またストレージの容量が大きめなので rsync でのバックアップ先などにも適しているだろう。そのような用途には Deferred Sync が有用だし使い方はドキュメントにあるので読めば良い。書いているうちにいつのまにか自作ソフトウェアのアピールになっていて驚きである。
それと SaaSes は他と比較してもサポートが比較的手厚く、問い合わせ等のメールの返信も早いし、中の人がソーシャルメディアもチェックしていて、先日も Twitter で文句をグダグダ言っていたらすぐにレスポンスがあったりして助かる。個人的に加点ポイントだと思う。
ちなみに公平性を期す観点で競合ベンダについても触れておくと CloudCore なども開発者支援制度を設けて開発コミュニティにサーバーを提供しており、実績を見るとそうそうたる顔ぶれが揃っていてなんともすごい。いつのまにか OS も選択できるようになっていたりして現在まさに開発途上の新進気鋭のベンダという感じがする。
あと、クラウドベンダ等をどこまで信用して良いのかという問題は常につきまとう。企業でのクラウド利用に際しては、ゲストやミドルで暗号化層を設けたりするなどの研究をしているといった類の報告書も見受けられる。ただ暗号化しても所詮は人様の環境で動かすわけなので、 NDA を締結するなり、データの重要性に応じて配置を切り分けたりといったセキュリティ対策には特に神経質になるべきであろう。個人利用でも VPS にあるデータは認証有りとはいえ危険性があることを認識し、重要度の高いデータやソフトウェアは自前でホスティングするなど工夫が必要だろう。