三國志Ⅴには様々な歴史イベントが用意されている。プレイする上で重要となるのは、配下の将の忠誠度を一律で上昇させるイベント、及び全領土の民忠誠度を一律で上昇させるイベントである。なぜなら、この作品では配下の将の忠誠度を上昇させるには命令書をひとつ消費せねばならず、また血縁や相性がドンピシャなど一部の条件を除いて忠誠度が 100 でない限り裏切る可能性があるからだ。また民の忠誠度を上昇させるのは非常に難しく、地道に巡察をおこなうにしても命令書を消費せねばならず、しかも必ず上昇するとも限らない。大勢力となり配下の将や支配都市が増えてくると、ますますこれらを上昇させていくのは難しくなってくる。ほとんどの場合は前線都市の防衛や敵勢力への侵攻に掛かりっきりになり、手が回らなくなってしまうのだ。そこでこれらを一律で上昇させる歴史イベントがどのタイミングでどのような条件で発生するのかを把握するのは極めて重要となってくる。そこで本記事では特に重要な歴史イベントについて整理する。
・ 212 年 10 月 魏公推挙騒動
曹魏勢力で 212 年 10 月、曹操が許昌と鄴を含む 12 領以上、配下に荀彧と董昭が居ると発生。曹操が魏公に推挙される。魏公になると配下の将の忠誠度が一律で 10 上昇するため、忠誠度 90 以上の将は忠誠度 100 となり裏切らなくなる。反面、名声がやや低下するが、名声は普通にプレイしていれば順調に上昇し続けていくため、ここでは魏公になったほうがメリットが大きい。荀彧が自害してしまうが、どのみち荀彧は寿命で先が長くないため、これも許容範囲である。メインシナリオの臥龍出淵ではゲーム開始後約 4 年で発生するので、ここで勢力の地盤固めをおこなうことができる。
・ 216 年 5 月 曹操、魏王に即位す
曹魏勢力で 216 年 5 月、曹操が許昌と鄴を含む 12 領以上、配下に曹丕、曹植、鍾繇が居ると発生。曹操が魏王になる。将と民の忠誠度の両方がそれぞれ 10 上がり、名声が 34 上昇する。デメリットは無い。臥龍出淵では約 8 年、劉備入蜀では約 3 年で発生する。このイベントが発生すると勢力は盤石の状態に強化される。
・ 220 年 九品官人法制定
曹魏勢力で 220 年上旬、曹操または曹丕が 12 領以上で配下に陳羣が居ると発生。将と民の忠誠度の両方がそれぞれ 10 上がり、名声が 98 上昇する。デメリットは無い。臥龍出淵では約 12 年、劉備入蜀では約 7 年、三国鼎立では約半年で発生する。
・ 220 年 10 月 魏皇帝即位
曹魏勢力で 220 年 10 月、曹操または曹丕が洛陽を含む 12 領以上で配下に華歆、王朗、司馬懿が居ると発生。曹操または曹丕が皇帝となる。将と民の忠誠度の両方がそれぞれ 10 上がり、名声が 82 上昇する。デメリットは無い。臥龍出淵では約 12 年、劉備入蜀では約 7 年、三国鼎立では約 1 年で発生する。歴史イベントと言いながら史実と異なりほとんどの場合、曹丕ではなく曹操が皇帝に即位する。九品官人法とあわせ、将と民の忠誠度がほぼ全員 100 となる。
・ 219 年 7 月 劉備、漢中王に即位す
劉備勢力で 219 年 7 月、劉備が漢中と成都を含む 8 領以上、曹操または曹丕が許昌と鄴を含む 12 領以上、劉備配下に諸葛亮、許靖、張飛が居ると発生。劉備が漢中王となる。将と民の忠誠度の両方がそれぞれ 10 上がり、名声が 19 上昇する。デメリットは無い。臥龍出淵では約 11 年、劉備入蜀では約 7 年で発生する。この時期まで曹操が勢力を保っていないと発生しないためやや難易度が高い。
・ 221 年 4 月 蜀漢皇帝即位
劉備勢力で 221 年 4 月、劉備が成都を含む 8 領以上、魏皇帝即位が発生し曹操または曹丕が洛陽を含む 12 領以上、配下に諸葛亮、譙周、許靖が居ると発生。劉備が皇帝となる。将の忠誠度がそれぞれ 10 上がり、民の忠誠度が 20 程度上がり、名声が約 30 上昇する。臥龍出淵では約 13 年、劉備入蜀では約 8 年、三国鼎立では約 2 年で発生する。たとえプレイヤーが曹魏勢力でも三国鼎立でスタートすると戦争をおこなわず 2 年経過すると劉備も皇帝となり、将と民の忠誠度がほぼ全員 100 となるため、勢力が大幅に強化される。反対に劉備の領土を 1 都市でも陥落しておくと支配都市が 7 以下となるため、劉備の皇帝即位を阻止することができる。
・皇帝即位
支配都市 35 以上、玉璽を持っている場合は 30 以上、参謀が君主と同じ都市にいると、偶数年の 1 月に発生。将の忠誠度がそれぞれ 10 上がり、民の忠誠度がそれぞれ 20 上がり、名声が 200 上昇する。このイベントが発生する頃にはどのみち勢力は盤石の状態になっていることがほとんどである。
孫呉勢力については省略。
帝の調停については民の忠誠度がそれぞれ 10 上がるが、同盟禁止の縛りルールにおいては調停を拒否することしかできないため、このイベントに頼ることはできない。
このことからわかるように、特に曹操勢力で後半のシナリオをプレイすると、将と民の忠誠度不足のため大勢力にも関わらず壮絶な人材引き抜き合戦などに頭を悩ませることになるが、歴史イベントを契機として勢力が安定することがわかる。したがってプレイする上で決して無視できない重要な布石となるため、発生時期と条件をしっかり把握しておくことが大切である。