前回の記事の最後に iruka のカスタムには正直興味がないと触れたが、オリジナルの状態でひとつだけ気になる部分があった。それはグリップである。
既定のオーソドックスな丸形グリップは、身近で馴染みのある癖のない筒状形状だ。決して悪くはないのだが、レザータイプのグリップのようにグリップ力を強化するパターンがあるわけでもなく、オリジナルのグリップはザラザラした触感で握り心地はいまひとつだった。ある程度の距離を走行する際に、特にグリップの快適性が重要だと感じていた。そこで、手の平に合わせたエルゴノミック形状のグリップが理想的だと思い立った。エルゴノミック形状のグリップは、手の平にかかる荷重を分散し、手首の角度を適正に保つことで手や腕の負担を軽減してくれる。
今回、いつものサイクルハウスしぶやお花茶屋店に相談することにした。お花茶屋に着いて相談すると ERGON GP1 というグリップを提案された。さっそくオリジナルのグリップは手際良く外してもらった。
次に新しいグリップであるが、そのまま装着することも可能だが、わずか数ミリを専用の機械で削ることで iruka にぴったりフィットするように加工してくれた。さすがは安心と信頼のサイクルハウスしぶやお花茶屋店である。工賃もさほどかからず、きめ細かい調整まで対応してくれた。
新しいエルゴグリップに交換した iruka を試してみたところ、その違いは一目瞭然だった。まさにこれが求めていたものであった。これでより快適に街中を走行することができるようになった。
また iruka のサドルの高さを今までは 6 段階とかなり高めに設定していたが、これからは 10 段階とややゆったりとした高さに調整してみることにした。サドルが高いほうが前傾姿勢になりスピードが速くなるものの、サドルをあまり高くしすぎないほうが、周囲の状況にしっかりと目を配ったり、片手でハンドサインを出すなどの余裕ができるので、巡航速度を多少下げてでも安全運転を心がけたほうがより良いと感じたからだ。
なお、作業中に時間があったので、別のミニベロである DAHON K3 を試乗させてもらった。このミニベロの特徴は、タイヤ径が iruka の 18 インチと比較して 14 インチと小さく、重量も 7.8kg と iruka の 11.9kg に対して 2/3 以下とより小さくて軽量なことである。実際に試乗してみたところ、思った以上にスピーディーに走ることができた。長距離の走行には性能や耐久性などの面で向かないが、近所の街乗りには非常に適していると感じた。軽量で取り回しが良いため、短距離の移動やちょっとした買い物には最適だろう。ただ自転車が今でも多いのにこれ以上増やすのもどうかと思う。
さらに調べてみると、メインで使用しているクロスバイクの ESCAPE R3 も同様にエルゴグリップにカスタムできることがわかった。 ESCAPE R3 のオリジナルのグリップには不満はないものの、異なる車両で同一のグリップにすることで、乗り心地を統一するのも良いかもしれない。今後、機会があれば検討してみよう。