三國志Ⅴでは都市の開発度合いを示す指標として、都市ごとに農業、治水、商業、防御の 4 つの内政値が用意されている。開発コマンド一発で全都市の全内政担当が一気に農業、商業、防御、治水のすべてを上昇させ、獲得できる経験値も内政に参加したすべての将が一律で 250 を獲得するという効率性の高いものとなっていることは以前に書いた。ハンドブックや Wiki にも記載のある通り、農業と商業については都市ごとに上限値が設定されている。また治水は最大 100 、防御は最大 999 である。このうち農業、商業、治水については内政を進めていくとやがて最大値に到達する。この 3 つが最大値に達した場合、その都市の開発は終了したものとして、基本的には太守として誰か文官を適当に一人か二人を残して他の将は他の都市に移動させてしまったほうが良い。なぜなら、防御も 999 に達してしまうとそれ以上開発ができなくなってしまうからだ。なぜ内政ができないと困るかというと、その都市にいる将の経験値が内政に参加することによって上昇するという機会がなくなってしまうからである。防御は確かに城の地形効果に影響するのだが、以前にも書いた通り戦の優劣を決めるのは地形効果よりもっと重要な要素があるし、どちらかというと内政ができなくなってしまうデメリットのほうが大きいのだ。
では防御も最大値の 999 に達してしまった場合、その都市はどうしたら良いのか。これは、敵勢力と隣接するいわゆる前線都市であるかそうでないかによって扱いが異なる。まず前線都市の場合、いくら内政値が最大だからと言っても前線である以上この都市から将兵を撤退させるわけにはいかない。そこで基本的には経験を積み 6 つすべての特殊能力を習得済みの将を配置する。成長タイプに関わらず特殊能力を 6 つ目まで開放できた将についてはそれ以上経験を積む必要性が無くなるからである。したがって内政に参加できなくても困らないということになるのだ。もちろん特殊能力の開放が 5 つ以下の将を配置しても良いが、内政によって成長する機会を逃してしまうことには注意が必要である。
上の例では夏侯惇を長安に配置しているが、この例では夏侯惇はすでに 42,000 以上の経験値を積んでいる。成長タイプ 10 のため特殊能力はすべて開放済みである。長安はまだ敵勢力と隣接しているためここを空にするのは難しい。もちろん隣接する宛や弘農に強行スキル持ちの将を配置しておけば攻め込まれてもいきなり防衛に参戦することができるのだが、強行持ちは広範囲の都市に参戦することができてとても貴重なのでそれにばかり頼りたくはない。そこでこれ以上経験を積まなくても差し支えない将に精兵を持たせて前線都市を守備するのである。
とは言っても十分な経験を積んで特殊能力 6 つすべてが開放されたばかりの将ではないだろうから、隣接する都市に強行スキルを持つ将を配置して兵力を補うと良い。たとえば于禁、李通、臧覇、張飛、韓遂、成公英、馬超、徹里吉、孟獲などが比較的早めに強行スキルを習得しなおかつそれなりに強い将なので、内政が最大値に達した都市の隣接都市に配置しておく候補となるだろう。
次に前線ではない都市であるが、ここには特殊能力が 6 つ開放済みでなおかつ強行スキル持ちの将を配備すると良い。なぜなら強行スキル持ちは隣接都市の防衛には開始 0 日で到着すなわち最初から参戦することができ、なおかつ隣接のそのまた隣接都市に対する侵攻でも開始 0 日で参戦することができるのである。
上の例では夏侯淵を江陵に配置している。江陵は敵勢力と隣接していないが、隣接都市は前線都市である。そこで強行持ちの夏侯淵を配置することで、防衛にも侵攻にも直接関与することができるというわけである。
なお内政値が最大値でなおかつ隣接都市も敵勢力と接していないような都市は戦略的に見ても後方の拠点であるわけだから、その場合は適当に能力値が低く忠誠度が高くて裏切らなそうな将を配置しておけば良いだろう。
前線都市は多数の将兵を配置することになりがちなので、時間が経過すると必然的に内政値が最大にまで到達するといったことが起こりやすい。そこで将の内政参加の機会を奪わないためには、このように特殊能力が 6 つまで開放済みでありそれ以上経験を積まなくても構わない将を配置することでなるべく無駄を省くようにする。防御が高いと城の地形効果が上昇するので高いに越したことはないのだが、最大値までは到達しないように調整したほうが良いのである。また強行スキルを持つ将をうまく配置することで、何もしないまま遊び駒となってしまう将が出てこないようにするのも肝要である。