自分自身はなんでも自らの意思で決めたいという性格志向が強いのだが、世の中にはどうも決断ができない人間というのがいる。

たとえば自分が置かれた状況に漠然とした不安を持ちながら、決してそれを改革する行動に出ようとしないだとか、惰性で今のままの生活を続けたままでいるとか。要するに自分の意思でもって決断しそれにより物事が進むのが怖くて、他の誰かに決めてもらい責任を他人に委ねようとする傾向があるのだ。これを今まで決断恐怖症と勝手に名付けていたが、調べてみるとこれもパーソナリティ障害のひとつらしい。

診断基準:ICD-10
以下によって特徴づけられるパーソナリティ障害:

他人に自分の重要な生活上の決定の大部分をしてもらうことを促したり、受け入れたりすること。
自分の欲求を自分が依存している他人の欲求に従属させること、および他人の意志に過度に従うこと。
自分が依存している人には、たとえ正当なことであっても要求したがらないこと。
自分のことが一人でできないという過度の恐れのため、一人でいると不安や無力感を感じること。
親密な関係をもっている人から見捨てられたり、自分のことを一人でしなければならなかったりすることへの恐れにとらわれること。
他人からの過剰な助言や保証がなければ、日常生活で決断する能力に限界があること。
関連病像として自分を無力で、不完全で、精力に欠けると感じていることが含まれる。

どうも見ていると問題としてハッキリと露呈しにくいまま年月だけがズルズルと過ぎる傾向があるので、親しい人が気付いてあげるしかないのかもしれない。

この手のことに共通して言えることだが、性格や特性において社会生活に支障をきたすレベルになると、症例として診断されるに至るようだ。上の症例は精神療法が有効らしいので、まさに良き医療を案件である。

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