オフィスで菓子を配る人間というのがいる。

これは休暇中に旅行など遠出をした際に、お土産と称して菓子を一つずつ配り歩くという日本特有の文化である。とくに夏のクソ暑い時期になると、お盆などと称して大混雑のまっただ中にど田舎に赴き、ようやく戻ってきたかと思いきや勤務時間中に堂々と菓子を配って練り歩く人間というのが出現する。この手の人間は朝の満員電車にも何ら疑問を持たずに乗り込むし、よっぽど渋滞混雑の好きなマゾヒスティックな連中である。

昨今はオフィスグリコなるものもあるくらいで、仕事中に菓子を食う文化というのがあるらしいが、自席で勝手に菓子を食うならまだしも、こちらの意志とは関係ないチョイスで菓子を提供され、大抵は暑い中の長旅で一度溶けかけたりしてて保存状態も良くないしベトベトしてて美味くも無いし、ボロボロ食べかすがフロアのあちこちにこぼれるわ不衛生だわではっきり言って迷惑に感じることが多い。さらにタチの悪いことには不在の間に人の机の上に勝手に菓子をお供えしていく奴までいる。人の机は神棚や仏壇じゃねえんだよ。モノを無断で置くなっつーの。

一体このお土産という文化はどこから来たのか調べると、どうも伊勢の神宮へと何日もかけてお参りをしていた時代に遡るようだ。まだ移動手段が乏しかった時代に長旅をして伊勢の神宮に参拝すると、お宮の笥(げ)という御札を貼るための板をもらった。それをまた何日もかけて旅して村人たちのもとに持ち帰ったのが土産の始まりのようだ。お宮の笥(げ)だからお土産。(諸説あります)

なるほど道理で日本特有の文化なわけだ。

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