典型的なエスアイヤー(パソコンかちゃかちゃ業界)であるウチのカイシャもウィンドーズのサポート切れをきっかけにシンクライアントの導入が急速に進み、いよいよ在宅でもシゴトができるいわゆるテレワークの体制が整ってきた。

シンクライアントといっても要するにベンダーの提供する仮想化基盤上の仮想マシン (VM) に専用線もしくは VPN で接続してギョームを実施するという話なのだが、そのような基盤を提供するベンダーはあちこち出揃ってきているし、技術的にはなんら障壁が無さそうである。つまりは技術以外の問題を埋めていく必要があるのだが、これは結構いろいろあってただ制度を作ればいいという単純な問題ではなさそうに思える。顔をあわせないとギョームできない日本文化がダメとかそういう問題でもない。

たとえばウチのカイシャの場合、いわゆるゼネラリストにはシンクライアント専用端末を配布し、スペシャリストはそれとは別に開発環境を別途調達という感じである。つまり管理職層や事務方は理論上テレワークが完全に実施可能である。

一般職層はというと、まず超過時間の長さに応じて追加の賃金が支払われるといういわゆるザンギョー制度がある。これはシビアな問題でどこからどこまでをザンギョーと認定するか、下手をすれば裁判にもなりかねないデリケートな話だ。また現実的な話、一般職層の生活にも直結しているところが少なからずあるので、テレワーク日は定時勤務とみなす等とすれば結果的にみんな出社するという現象が起こるかもしれない。そうなると一般職層からすれば管理職がいなくてヒャッハーとなる部分は少なからずあるし、管理職のシゴトは管理をすることなので現場に来て管理をする必要性を感じるだろうし、結果的に誰もテレワークしないということになりかねない。

あと余計な話だがテレワークだと当然ながら音楽を聴いたりゲームを起動したり無限に喫煙したりしながらギョームすることも可能になるわけだが、別に成果さえ出すならそれは好きにすればいいんだが、ザラ場中にレバレッジの効いた株式取引や先物取引を繰り返してハマりすぎる奴が出ないとも限らない。他には平日の昼間に堂々と出会い系サイトなどで未成年を引っ掛けようとする奴とか。このあたりはモラルの問題か。

ま、選択肢が増えるということは歓迎すべきだし、たとえば変なウイルスが流行したような時にテレワーク日をもうけることが可能というのは雇用する側にとっても雇用される側にとっても良いことだ。今年はただでさえ土地の狭さが限界突破している東京で大規模なスポーツ大会を無理矢理やるらしいので、それまでには制度面も整備できると良いだろう。

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