スマートフォンで遊べる光栄の名作としてはここ数年で信長の野望・武将風雲録三國志Ⅴが発売されているが、自分は相変わらず三國志Ⅱをやっている。

このゲームの縛りは以前も書いた通り次のようにしている。
・信用度は最大 50 で同盟不可
・玉璽入手不可
・難易度は上級
・セーブ・ロードを利用した再試行は一切禁止
・計略禁止
・書物の施し禁止
・降伏勧告禁止
・他国からの人材登用は三ヶ月に一人まで (1,4,7,10 月のみ)
・人材登用の試行回数は五回まで
・太守の引き抜き禁止 (戦場での寝返りは OK)
・最初の一年は他国への侵略戦争禁止 (シナリオ 1 のみ最初の五年)
・最初の一年は他国からの人材登用禁止 (シナリオ 1 のみ最初の五年)

ずっとやっている。というか、このゲームは 1989 年に発売されたもので、現在は 2020 年、つまり 31 年経っている。多少リメイクされているとはいえ、古代のゲームが現在でも楽しめるのはすごい。特徴として、武将の能力値が武力・知力・魅力の 3 つのステータスで表現されるというシンプルな点が挙げられる。

中には、実際の活躍の割には低く設定されている武将がいる (例えば楽進や李典など) 不満点も挙げられるが、そもそもこの時代のゲームに武将として登場している時点で有能という考え方もある。能力が低くても、相性が良くて忠誠度が高ければ一定の役割を持たせることができるからだ。また上記の縛りだと、基本的に力でゴリ押しになりやすく、そのため武力が多少低かろうが武将として兵を持っていればやはり活躍できないこともない。また固有スキルのようなものがまだないため、知力や魅力が低かろうが内政で活躍させることもできる。

さて、このゲームにはアイテムというものも登場する。これは武将の能力値をわずかに上昇させるものである。経験というものがない本作においては、一騎打ちでの勝利など例外的なものを除けば、ほぼ唯一の能力上昇手段だ。さてこれを誰に施すのかというのが結構悩みどころになる。アイテムを施すことで忠誠度が 100 になるため、従来のプレイでは忠誠度の低い武将に施すのが基本であった。ところが上記の縛りでは、相性の影響が大きく、いかに有能であろうとも忠誠度はどんどん下がるし、逆にそれなりに相性が良ければ忠誠度があまり下がらない。アイテムによる忠誠度上昇効果より、誰を育てるかが重要となってくる。そこで次の通りまとめてみた。

1. シナリオ 4 曹操

<武力>
武力は上記縛りのため最も重要なパラメータとなる。劉備軍と違い、曹操軍は武将が豊富とはいえ突き抜けて優秀な武将が揃っているかというとそうでもない。そこで、まずエース級である武力 90 台の武将に施して最大値の 100 にするのか、いまひとつの武力 80 台の武将に施して 90 台の主戦力にするのか、判断が必要である。

武力 90 台の施し候補
曹操:まず自分自身を武力 100 にして最強にしてしまうという作戦。もとが 91 と低めなので 100 にならないこともあるが、君主の武力がとても高いことで、明らかに安心感が高まる。
曹彰:本作では 92 と武力が異様に高く、また親族武将なのでこれも良い選択。知力も 60 と悪くないため、エースになる。
張遼:相性が良く、知力や魅力も 80 と高いため、張遼の武力を上げればエースになる。一応、マスクデータの義理も高い。
夏侯惇:元が 93 なので 100 になりやすい。相性も 1 なので裏切らない。
龐徳:義理がやや低いのが難点だが、本作はそこまでマスクデータの影響が濃くないので、まず裏切らない。

武力 80 台の施し候補
郝昭:知力や魅力も高く、何気に義理も高いので、武力を 90 台に伸ばせば主戦力となる。
曹仁:意外に武力が 84 と高く、相性も親族扱いのため、武力を伸ばすと夏侯惇などと並ぶ主戦力となる。

<知力>
上記の縛りでは書物を施して知力を伸ばすことができないため 90 台前半くらいの知将に施して諸葛孔明と肩を並べる知力 100 を目指すのが基本。
曹操:自分自身が最強のオール 100 を目指す場合の候補。
陳群:元の知力が 93 のため 100 になりやすい。曹氏三代に仕えた功臣であり、寿命も長い。
荀攸:こちらも 100 になりやすい。地味な軍師が一気にエースに。
郭奕:郭嘉の子。相性が 1 なので裏切らない。史実とは裏腹に親をも超える活躍をすることに。

<魅力>
上の 2 つに比べると優先度は低い。とはいえ魅力上昇アイテムには、相性を君主に近付けるという効用もあるので無視できない。
曹操:自分自身が最強のオール 100 を目指す場合の候補。
司馬懿:知力が 98 というだけでなく、魅力が 100 になる。太守に最適なステータスとなるが、野望が高いのが玉にキズ。
関羽、趙雲:劉備軍のエースを捕らえアイテムを施すことで攻撃の要となる武将となる。忠誠度をこまめに上げれば実戦で大活躍。

2. シナリオ 6 曹丕

君主の能力は平凡なため、父親のようにオール 100 を目指すようなプレイには不向き。基本的に部下に施して育成するプレイとなる。

<武力>
鄧艾:武力を上昇させることで文武両道の主力級となる。
曹彰:やはりエースになる。本作では若くして死なないので、序盤から終盤まで通して第一線の活躍が見込まれる。史実とは大違い。
郝昭:有名武将が軒並み死んでいるので、主力武将となり守りだけでなく攻めにも活躍が見込まれる。
張遼:寿命がやや心配だが、とはいえ主力武将が死に絶えたこのシナリオではさらに存在感が増す。
夏侯覇:親の夏侯淵と遜色ない能力値に設定されている。武力を上昇させると一気に主力に。

<知力>
陳群:元の知力が 93 のため 100 になりやすく、寿命も長いので、司馬懿を差し置いて軍師になる。
鄧艾:武力も伸ばしさらに知力も 100 にすると本シナリオでは最強に近くなる。ただ知力 100 の場合、本国に置きたくなるのが問題だが。
司馬師:親に匹敵する軍師となる。相性も良い。

<魅力>
司馬懿:孔明の知力 100 魅力 98 とは反対に知力 98 魅力 100 となり、よりライバル感が高まる。
鄧艾:文武両道だが魅力がやや低いので、太守としても使いたい場合に候補となる。

全体的にアイテムによる能力上昇のインパクトは大きく、史実とはやや異なる雰囲気となるが、お気に入りの武将を育てたい場合はどんどん施すと存在感が一気に増して楽しくなる。後の作品と違い、固有スキルのようなものがまだないので、微妙な武将でも一気にエース格まで引き上げることができて夢がある。さらには、経験という概念がまだ無いので、能力の引き上げはあくまでアイテムに頼るしかない。このあたりの絶妙なバランスも三國志Ⅱの面白さだったりする。

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