以前、関について地形をあらためて考察したが、それでは最も防衛力の高い都市はどこであろうか。これはおそらく、許昌か洛陽であろうと思われる。

<許昌>
許昌を守る北と東の関は北が長社県、東が長平県ではないかと考えられている。北と東は関に守られ、南は濄水に守られている鉄壁の地形である。もっとも、この河を水軍で攻めれば関を迂回できてしまうのだが、渡河した先にある許都も非常に堅牢な配置となっている。許都を構成する六つの城のうち特に西端の城はその地形上最大で二部隊しか隣接することができない上にたとえ隣接して直接攻撃しようにも複数の城から防衛部隊に挟撃されてしまう配置となっている。また、せっかく水軍で渡河したところで濄水からは許都の北と西の城に射程が及ばないため、結果的に上陸して雌雄を決することになるので、弓を無効化する藤甲兵で城攻めをしたとしても火攻めで対応される可能性がある。

このように見てみると許昌は無敵の防衛都市のように思える。唯一の弱点としては、侵攻側の布陣ポイントが防衛拠点から離れている点であろう。どういうことかと言うと、鄴から仙人に兵を 1 人だけ持たせて攻めさせ、遠くから占卜・幸運によって嫌がらせをするのだ。これを放置すると兵糧を減らされた上、落雷などで被害を受けてしまう可能性があるため、防衛側は迎撃に行くことになる。このときに攻防の部隊間でかなり距離があるので迎撃しにくいというのが唯一の問題点なのである。もっともそんなプレイングをするのは人間のプレイヤーだけだし、大勢に影響のある戦術とは言い難いため、この弱点は無視しても良いかもしれない。

<洛陽>
何度も書いている通り、弘農、宛、許昌と南方から洛陽盆地に至るまでの東西南の侵攻ルートをすべて西の函谷関、東の虎牢関という二つの関でシャットアウトできる。この時点で南方に対する要塞としては満点の評価であろう。一方、河北の鄴・晋陽からの備えとしては基本的に洛水を盾に南岸の水辺に陣を構えて迎撃することになる。ところが、洛水を水軍や藤甲兵で南下されるとかえって不利になってしまうという弱点も備えている。そこで、敵将のスキルをよく見極め、場合によっては北岸の城から出撃して防衛部隊を積極的に迎撃していくことになる。

侵攻側は水軍であれば沼地などを利用してかなり有利に戦いを展開することも可能となる。もっとも、洛陽の優れた点としては防衛力が高いだけでなく攻防の初期配置が近接しているため、洛水の南北いずれの都市から侵攻されても素早く防衛部隊を迎撃に向かわせることができるというのが最大の利点となる。したがって許昌の問題点として挙げた仙人による嫌がらせに対しても、初手にて迎撃・殲滅することも可能となる。

まとめると、普通に考えれば許昌が全都市中最大の防衛力を誇る鉄壁の地形ではあるが、仮に対人戦まで考慮したとすると洛陽に軍配が上がることになる。とは言え本作には機種にもよるが基本的に対人戦は無いし、もしあったとしても相手は人間なので卑怯な手はルールで禁止するなど話し合いができるのだから、この点はあまり考慮は必要無いかもしれない。したがって許昌が最も防衛力が高いことになる。

また洛陽と許昌はそもそも隣接している都市であり、両方を支配していれば隣接都市からすぐに援軍を派遣できるのだから、ほとんどのシナリオを通して洛陽と許昌の二都市を支配する魏の曹操が地理的にも優遇されているということがあらためてわかる。

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