以前も書いた通り三國志Ⅴには数多くの将軍位が登場する。この将軍の序列については例えば漢の時代においては天子の軍の前後左右を守備する前後左右将軍は上公・比公(大将軍、驃騎将軍、車騎将軍、衛将軍)に続く将軍位であったものが、魏の将軍位においては四征将軍・四鎮将軍が上位になるなど、時代・背景によって上位・下位の扱いが異なることがある。左右についても春秋戦国時代や秦・漢王朝の時代においては右が優位であったが、隋・唐の時代になると天帝は北辰に座して南面すというように左が右より上位とされたとある。ではゲーム上ではどうであろうか。
これはひとえに以前書いた三國志Ⅴの将軍位の表通りであろう。すなわち勇名が高いほど就ける将軍位のほうが上位であり、同じランクであっても上に表示される将軍位のほうが格上とみなすのである。したがって例えば前後左右将軍より四征将軍・四鎮将軍が上位であるし、雑号将軍においても例えば龍驤将軍は征虜将軍より上位である。南朝宋における将軍号の序列では征虜将軍のほうが龍驤将軍より格上であるが、三國志Ⅴのシステムが最も正しいとみなすのである。こう考えると蜀漢でプレイしている場合、史実では後漢の序列を継承しているのだから四征将軍・四鎮将軍より前後左右将軍が格上のはずなのだがシステムがこうなっているのだから仕方がないというわけである。
では方面司令官たる四征・四鎮・四安・四平将軍についてはどうだろうか。そもそも本来なら将軍位というのは常設されるものではなく、この方面に敵が現れた際に任命され賊を討伐するのが役目である。ところが乱世においては事実上の常設・名誉職となっていたと言える。これは日本の征夷大将軍が蝦夷を討伐するという当初の意味から離れ事実上の国の統治者として君臨していた歴史などを考えれば頷ける話である。プレイヤーの中には将軍の名称に従い征東将軍・鎮東将軍を東方の都市に配置するなど方面を気にしてプレイする人もいるだろうが、単に序列として同じランクでも東南西北の順に格の上下があると考えたほうが都合が良い。なぜなら将軍たちは多くの場合まとめて同一の都市に集中配備し敵を侵攻することが多いのだから、いちいち東南西北に忠実に配置していたら戦力を集中させることができなくなってしまうからである。同じ都市を安東・安南・安西・安北将軍が一斉に攻めたりするのだから、方面をいちいち気にしていたら正直やってられない。
これらの考えから自分の場合、同じランクの中では単純に東が最も上位、北が最も下位として将軍を任命している。東南西北といえば麻雀だが、麻雀でも東南西北の順に上家・下家が決まると思う。そして得点が同点となった時は上家が上位となる。だから同ランクなら征東将軍が征南将軍より上位というわけだ。実際の方角ではなく序列とみなすということである。
見ての通り将軍位の肩書と実際に配備される都市の方面は一致していない。でもこれは単なる同ランク内での序列に過ぎないのだからこれで良いというわけである。