iruka を買った日から間もなく、初めてのトラブルに直面した。

いつものように出発のための準備として点検をしていた際、シートポストの高さを調整しようと固定レバーをリリースしても、びくとも動かない。まるで何かに引っかかって、強く固定されているかのような抵抗を感じた。困惑しながらもサドルを高く設定して出発したが、走行中にサドルが徐々に下がっていくという新たな問題が発生した。

故障の可能性を確かめるべく、すぐに信頼するサイクルハウスしぶやお花茶屋店に駆け込んだ。店のスタッフは問題に迅速に対応してくれた。サドルのレバーの固定強度はグリス注入で調整でき、無料サポートの範囲内で対応してもらえた。しかし、シートポストの問題は思ったより複雑であった。スタッフによると、シートポストの金属が何らかの異物の混入によって傷ついている可能性があるとのことだった。分解してみると実際に傷が付いており、この予想外の診断には驚いたが、スタッフはヤスリを使って傷を削り、一時的な解決策を施してくれた。これが効果的で、シートポストは再びスムーズに動くようになった。

後日、テストを兼ねて都心をぐるっと一周してみたが、どうやら走行における問題は一旦解決したようである。

このトラブルシューティングの一連の流れを通じて、サイクルハウスしぶやのスタッフが持つ豊富な経験と修理におけるプロフェッショナリズムを実感することができた。今後もこの店で自転車のケアをしてもらえるというのは心強い。乗り続けるうちにまた様々な問題に直面することだろうし、自転車を長く使い続けるためには、やはり信頼できる専門店でメンテナンスをしてもらえることが必要だ。

また iruka をはじめとするミニベロのような自転車の繊細さについても新たな認識を得た。クロスバイクやシティサイクルと比べて、ミニベロは可動部分が多いため故障率が高く、耐久性に劣る面があることを実感した。走行性能に関しても、所詮は小径車であるため、登坂力やストップ・アンド・ゴー対応の性能ではやや優れるものの、シティサイクルであるサイサリスローグにすら最高速度や走行可能距離では劣るのではないかと思う。特に最高速度については自分の場合クロスバイクが時速 40km 台、シティサイクルが時速 30km 台だとして iruka はせいぜい時速 20km 台である。平地ではスピードが出ないものと割り切ったほうが良さそうだ。

結局のところ、ミニベロが持つ最大の利点は、スピーディーに折り畳んでコンパクトに持ち運ぶことにより都心の限られたスペースで室内保管が可能であり駐輪場が不要という一点に尽きる。しかしながら、この室内保管ができるという一点こそが、郊外のように広々とした駐輪場など存在しない都心の限られた生活環境においては非常に大きなメリットである。

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