前回、 iruka のグリップをエルゴノミック形状の ERGON GP1 にカスタムしたわけだが、グリップひとつで乗り心地が格段に向上したことから、やはりグリップやサドル、ペダルのような身体と直接触れる部分にはこだわりが必要だとあらためて感じた。そこでメインで使用しているクロスバイクの ESCAPE R3 のグリップもカスタムしたいと考えた。さっそく近所のサイクルベースあさひに相談したところ、 ERGON 社のグリップは色々と在庫があったものの ERGON GP1 は在庫がなかった。できれば iruka と完全に同じグリップで統一したいと考えたため、日数はかかるが取り寄せることにした。 ESCAPE R3 は廉価なクロスバイクではあるが、様々な設計のバランスが非常に良く、さすがクロスバイクの代名詞とも言えるモデルである。パーツについては汎用部品が多く利用されているため、気になる部分をカスタムすることで、自分だけの 1 台へとアレンジしていくことができる。
取り寄せを待つ間、サイサリスローグをいつも通り日常の買い物に利用していたが、無料空気入れ目当てで立ち寄った地元のサイクルスポットでスタッフとこの件について会話し、そのままグリップの交換をする運びとなった。所詮はシティサイクルであるため ERGON GP1 のような高価なグリップはもったいないが、既定のグリップはただのザラザラした棒であり正直言って粗末なものであったため、エルゴグリップにすることで快適になると考えた。
セオサイクルのオリジナルであるサイサリスローグの仕様はあまり公開されておらず情報が少ないのだが、シフターには SHIMANO TOURNEY SL-RS35 が採用されている。これはよくシティサイクルなどで採用されている 6 段変速のレボシフトシフターである。このシフターが存在するために左右でグリップの長さが異なるので、たまたまサイクルスポットの在庫にあった野口商会の NOGUCHI エルゴグリップ NSG-005 ロング&ハーフ ブラック に交換することになった。このグリップならロングとハーフの組み合わせなので形状に合致するし、コストパフォーマンスが高くそれでいて長時間の走行にも耐えうる十分な耐久性能を持っている。
既定のグリップより少し長さがあるので、シフターなどをわずかに中央に寄せることによってフィットさせている。
新しいグリップに交換したサイサリスローグに乗ってみると、やはり思った通り乗り心地が飛躍的に改善された。エルゴグリップの形状が手にフィットし、手や腕の負担が軽減されるのを実感できた。まさか ESCAPE R3 より先にサイサリスローグをカスタムするとは思わなかったが、日常の買い物利用ということは、走行距離はともかくそれだけ利用頻度が高いわけなので、ほんのわずかの出費で投資効果は十分である。自転車を今後買ったときは真っ先にグリップをカスタムするくらい肌に触れる部分は大事なポイントなのだとあらためて思った。サイサリスローグは本体 3 万円台のシティサイクルであるにも関わらず、メンテナンスをきちんとすればクロスバイクにも迫る走行性能があり、荷物の積載・運搬能力もあり、駐輪で気を使うこともほとんどないから日常生活での使い勝手は抜群。もしかして自転車って結局シティサイクルで十分なんじゃないかという気持ちにもさせてくれるほどの優れた 1 台である。