三國志Ⅴには他の作品と同様、新武将登録のシステムがある。これには自由が効くものと効かないものがあり、やや歪なシステムとなっている。
<完全に自由な設定ができる>
能力値、特殊能力、相性、血縁。
<一部制限がある>
陣形:自由に選択できるが、なぜか最大 2 個までしか設定できない。
<厳選が必要>
成長タイプ:早熟から晩成まで 15 段階あるが晩成であることのメリットは一切無い。最も早熟な成長タイプ 0 を設定するためには厳選が必要となる。
<設定できない>
経験、勇名:初期値を設定することはできず、必ず 0 からスタートする。
つまり、どのようなシナリオでもバランス良く活躍できるような設定にするためには、史実武将が初期経験・初期勇名値を保持していることを考えると、どうしてもそれ以外の能力値や特殊能力でカバーするしかない。
そこで次のようになる。
まず能力値は最低でも知力 90 以上、政治力 80 以上に設定する。こうすることで軍師となるため、勇名に関係なく兵数 20000 人を指揮することができ、陣形も即時に変更できるようになる。特にほとんどの主要な登場人物が円熟期を迎えている三国鼎立などの後半のシナリオにおいては、まともな即戦力として投入するにはどうしても軍師にせざるをえない。それ以外の将をゼロから経験を積ませたり何年も修行に出したりする余裕はほとんど無いのだ。
成長タイプは当然 0 になるまで厳選するとして、特殊能力も経験が 0 からスタートすることを考慮しなければならない。
そのためにはまず 1,2 個目はその将を表現するのに欠かせない特殊能力を設定する。この 1,2 個目はわずか経験 1300 で習得可能であり何度か内政をすればすぐ到達するため、ほぼ初期設定に近い形で習得することができる。次に 3,4 個目だが、この 4 つでひと通り個性が完成するように設定する。たとえば弓が得意な将なら「騎射、遠矢、火矢、乱射」とか城を守るのが得意なら「鉄壁、無双、奮迅、籠城」のようにいったん個性が完成するようにするのだ。なぜなら 4 個であれば経験 5200 で到達するため、育成を意識しなくてもゲーム中にだいたい到達するラインだからである。最後に 5,6 個目だが、これは 4 個目までで完成した個性をさらに伸ばすようなスキルを設定しておくと良いだろう。
ポイントとなるのは 5,6 個目でいきなりその将の役割が大きく変化してしまうようなスキルを持ってこないこと。ゲーム中に急に役割が変わるとなると、どうしてもプレイングもそのラインを意識して育成することになり、余計なところに意識を持っていかれがちなのだ。個性付けなど特に目的が無い限りは避けたほうが良い。
陣形は自由に設定できるもののたった 2 個という制限があるため、本当に必要な陣形を選択することになる。そこで個性付けでも無い限り、プレイ中に習得しやすい陣形は後回しとなる。となると個人的に優先度が高いのは、錐行、鶴翼、雁行、方円、楼船あたりであり、その中から厳選して個性を表現することになる。マイナーな陣形は特別な理由がない限り選択しない。
というわけで現実的な活躍を考慮するならば初期設定を軍師にすることがほぼ必須であるため、筋肉馬鹿みたいな将を新武将で表現するのは困難となる。これは三國志Ⅴのシステムの数少ない不満のひとつと言って良いだろう。成長タイプの厳選も面倒だし。せめて初期経験と初期勇名を設定できて欲しかったものである。