前にこのような記事を書いたが、年令が十分に若い世代 (40 代以下) であれば、ポートフォリオを株式のインデックス 100% 、つまりフルインベストメントにするのが最も合理的である。

・株式の期待リターンはやや少な目に見積もって平均で年プラス 5% 程度である
・年 5% のリターンを複利で投資し続けると 13 年程度で元本の 2 倍に増える
・たとえリーマンショックのような大暴落の直前に高値づかみしてしまっても 10 〜 20 年程度で戻るし、そのあいだ配当収入は発生し続ける

若い世代はこれからの人生が何十年もあるのだから、生活に必要な資金のみ手元に残して、あとは投資してしまうのが最もリターンが高い。

ルールを構築するとしたらこのようになる。

・生活資金以外はすべて株式のインデックスに投資する
・投資したお金のことは忘れて、一生売らない
・売るのはどうしても生活資金以外の出費が必要になったときのみ

たとえば現在 30, 40 代だとして現役を引退するまで最低 20 年以上はあるとして、使わないお金を貯金したり定期預金したりするくらいならすべて株式に投資するのが正解ということになる。また投資資金を切り崩さなくても良いように、普段の生活を節制してキャッシュ・フローを黒字化することも大切である。余剰資金が発生したらそれも追加で投資すれば良い。

なお 60, 70 代と老い先が短くなってきた場合は大きなドローダウンがあったときに時間的に回復することが出来なくなるのでその限りではない。そういった意味でも投資は若い頃からずっと長く続けるのが良いのである。

行動経済学という分野があり、人はすぐ目先の価値を過大評価し、遠い将来の価値を小さく見積もる傾向がある。つまり将来の 100 万円より今目の前の 50 万円のほうが価値が高いと判断してしまいがちということだ。これを近視眼的な時間非整合性という。

長期で投資しリターンを得るということは近視眼的な時間非整合性による価格形成の割引率を逆手にとって将来の価値を入手する行為であると言えよう。また行動経済学で心理的な非整合性が証明されている以上、投資したお金のことは完全に忘れて株価等は一切見ないというのが最も賢い戦略ということになる。

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