富裕層向けの会員限定サービスを設計したりしていると、相手は金持ちなのだからゴージャスに演出したり背景を金ピカにして特別感を醸し出そうなどと悪趣味なことを言い出す輩がいる。個人の経験からではあるが、一般的に金持ちであればあるほど贅沢な演出の類いを好まず、質素でシンプルなサービスを求める傾向があるように思う。

歴史上の人物ではあるが、たとえば日比谷公園をはじめ数多の公園を設計した「公園の父」でありながら、投資家として生涯において莫大な富を築いた本多静六先生は良い例である。彼は月給のうち 1/4 を常に天引きにて貯蓄・投資し、常に質素倹約に勤しんだ。

貯金生活をつづけて行く上に、一番のさわりになるものは虚栄心である。徒らに家柄を誇ったり、今までの仕来りや習慣にとらわれることなく、一切の見栄をさえなくすれば、四分の一天引生活位は誰にでも出来るのである。

このあたりは「私の財産告白」を読めば詳しい。

また約十兆円もの資産を持つ世界の大富豪ウォーレン・バフェット倹約家であることもよく知られている。それ以外にも世界的な大富豪と呼ばれる人々は意外と質素な生活をしている。

彼らは、資本主義社会においては、資産はポケットにお金を入れるもの、負債はポケットからお金を奪っていくものであるということをよくわかっているのである。高価な自動車や洋服を買ったり、贅沢な食事をしたり、高級不動産を所有したりするのは、見栄っ張りのすることであって、真の富豪がすることではない。(節税目的の場合を除く)

証券会社の顧客である富裕層においても、その運用資産が多ければ多いほど、普段の生活においては質実剛健を好み、本当に価値のあるものにだけお金を使う傾向が見受けられる。すなわち、日々の生活は至って質素であり、決して無駄なお金は使わない。着ているものや食べるものも一般的な庶民と同じごくごくありふれたものだ。ちなみに八十代の老人にお金を使わない理由をヒヤリングすると老後の不安のためだと言う。お前すでに老後とちゃうんかい。

こうして約 2,000 兆円もの家計金融資産が運用されないまま貯蓄として眠っているのが今の日本である。なおそのうち約 6 割は世帯主が 60 歳以上の高齢者であるという。日本の富裕層は今も増え続けていて、昨年末の野村総研のレポートによると日本の富裕層は 127 万世帯、純金融資産総額は 299 兆円と推計され 2000 年以降で最多となっている。

以前も書いたけどこれら眠れる家計金融資産の運用ニーズというのはあるだろうから、証券業界の果たすべき役割もまだまだ残されていると思う。願わくば未来を担う次世代のために有意義に投資されて欲しいものである。

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