東京オリンピックは滅んだも同然である。報道に拠ると海外客の受け入れを断念したという。大変めでたいことだ。
オリンピックで何が嫌だったかというと、我らが育った故郷でもありそして生活の場でもあるこの東京の街がしきたりをわきまえぬ外国人であふれかえることであった。しかし今回、海外客が来なくなったことで、その懸念は正式に払拭された。この都市にガイジンは来ない。すばらしいことだ。
以前、新型ウイルス騒動で良くなったことをまとめた。まさにここに書いた通りであるが、テレワークによる通勤文化の撲滅、外国人観光客の消滅、そして不衛生な環境・文化が滅んだこと、まさに世直しである。世直しウイルスに圧倒的感謝である。
さて、株価についてはすでに経済の再生を織り込んで金融緩和によって溢れかえったマネーが株式市場になだれ込み、とてつもない高値となっている。パニックは意外と短期的に収束するかもしれないと予想していたが、まさにその通りでいまや株価は日経平均三万円超え、三十年ぶりの高値となってしまっている。ダウ平均株価も三万ドルと、史上空前の高値である。
最近、証券アナリストジャーナルに衝撃的な論文が掲載され話題となった。野村アセットマネジメントによる「バリュー投資の再考」と題した論文である。
これがどう衝撃的なのかというと、簡単に言えば、仮に 12 ヶ月先の企業の業績を完璧に予測することができる超能力があったとしても、特に 2018 年以降はその業績に見合ったリターンを得られないというデータ分析結果を掲載したのである。その理由として、世界各国の異常なまでの金融緩和マネーがあふれ、またパッシブ運用と言われる個別企業の業績を全く参照せずバスケット式に運用するマネーの肥大化、そして業績以外に ESG など会計上の利益以外の企業評価を組み込むようになった昨今の潮流を挙げている。
このうち、金融緩和についてはあきらかに行き過ぎであり、証券が本来持つ価格発見機能を正常化するべきである。そうでなければ健全な証券システムとは言い難い。オリンピック滅亡の次の目標としては、世界各国の中央銀行が金融緩和をやめることだ。早く経済を正常化するためには、この異常な金融緩和もやめなければならない。そして一度で良いから株価がまた暴落してほしい。高まった現金比率をまた優良企業の株式に投資し直すから。