三國志のように基本的に一人で遊ぶゲームでは自分なりの縛りを設定してプレイするのが鉄板だ。なぜなら普通にプレイするだけではルール上いわゆる強いプレイングというものがどうしても存在し、その通りにプレイすると自分の思い描くプレイスタイルと乖離してしまい作業ゲーになりがちだからである。以前にもたとえばバイオハザードリベレーションズ 2 での縛りを設定したり、三國志Ⅱで人材登用の試行回数に制限を付けたり、信用度を最大 50 のまま上昇させないプレイについて書いた。こうすることでヌルゲー化も防げるし、リアルな戦いを楽しめる。
三國志Ⅴにおいては、以前に書いたセーブ・ロードの試行禁止はこれはまあ当然として、他に縛りを設けるとしたら遺恨を持つ将をクリア時に残してはいけないというルールがオススメである。
遺恨とは主に戦後処理において発生する。捕縛しても登用に応じず、逃がすとしても残された領土が無い場合、敵将は野に下るのだが、ほとんどの場合、遺恨フラグが立つため、在野から直接登用することができなくなる。体感としては 95% くらいだろうか。まれに遺恨フラグが付かないこともあるとはいえ、義理堅く相性の良くない将はこのシステムのためなかなか自軍の配下として迎え入れることができないのだ。
なお配下の将ではなく君主については、残された領土が無くなおかつ登用にも応じずに降伏しない場合は処刑するしかない。また遺恨フラグが立つのは主に戦後処理であるが、他にもアイテム没収や追放などで在野に下った場合にも遺恨フラグが立つ。
通常のプレイにおけるセオリーとしては、敵国を滅ぼしても敵将が降伏しない場合、いったん解放して遺恨状態のまま在野の将として放浪させ、他国の勢力に吸収されるのを待ち、再び登用を試すというのが定石である。なぜなら処刑してしまえば名声が低下してしまうのだし、解放すれば逆に名声がわずかに上昇するので、敵将を解放しまくれば結構な名声を稼げるからだ。また中華統一のためには最終的にはすべての敵勢力を滅ぼすことになるのだから、いったん敵将を逃してもまた再戦することになるのだし、そこで再び撃破すれば良いからである。
ところがこのようなプレイをしていると、大国となって統一を目前にする頃には、大陸全土に遺恨を持つ将が大量に散らばっている状態となってしまう。
上は人材登用の画面であるが、青く光っている国には遺恨フラグの立っている在野の将が存在する状態である。いかがだろうか。全土に恨みを持つ人材が散在する状態である。また敵勢力も残りわずかのため、彼らが再び士官する可能性はきわめて低い。もちろんこのまま全土を制圧してもシステム上はクリアとなるのだが、これはスッキリしないしどうにも納得がいかない。それに通常のプレイでは、結局のところ敵君主以外の将は一切処刑せずともクリアできてしまう。果たして実際にそのようなことがあるだろうか。どうも史実から離れているように感じるわけだ。
そこで今回オススメする「遺恨を持つ将をクリア時に残してはいけない」という縛りを適用する。
これによってプレイスタイルはだいぶ変化する。なぜなら、滅ぼした国の将を解放しまくっていると、遺恨を持つ在野の人材だらけになってしまい、彼らが運良く他の勢力に登用されたなら良いものの、うっかりずっと放浪しっ放しになってしまうとクリアできなくなってしまうのだ。もちろん修行中のイベントなど遺恨フラグを持つ将を例外的に登用できることもあるが、相当厄介な状態となってしまう。そこで敵国を滅ぼした場合、それでも降伏せず登用に応じない将は、敵君主と同様、原則として処刑することになるのだ。これで難易度が若干ながら上昇する。
たとえば曹操のような大国で劉備の勢力を滅ぼした場合、その配下は義理堅い将が多く、なかなか登用に応じない。そこで大量の処刑者を出すことになる。もちろん名声もかなり低下する。そもそも史実でも劉備は後漢の保守的な儒者などから人気が高く、これを滅ぼすというのはそれなりに名声が低下するのは当然のことだ。また、関羽などの名将がそう簡単に降伏するはずがなく、主君の劉備と命運を共にし死を選ぶというのが自然な流れだ。この縛りを適用すると、敵勢力の義理堅い名将を屈服させるのは通常よりもさらに困難となるため、降伏しない場合は処刑するというプレイをすることになる。なかなか血を流さずして中華統一というわけにはいかなくなるのだ。
このように敵勢力を滅ぼしても頑として降伏しないような者は残らず処刑し、遺恨を持つ将については全員登用するか殺害し、その上で領土を制圧することで、初めてクリアとなるというルールである。なかなか良い縛りであろうと思う。