あけましておめでとうございます。冬にしては暖かいと思っていた気温も完全に真冬となってしまいクソみたいな年末年始です。

さて、前回も記述した通り、兵器開発後の陣形については、かなりゲームバランスに影響を及ぼしてしまうものもある。たとえば方円の陣は防御が固くそのままでも非常に有用な陣形なのに、兵器開発後は雁行の陣と同等の遠距離攻撃能力を備えてしまう。これではほぼ雁行の陣の上位互換となってしまうわけであり、バランス崩壊であると言える。他にも強力すぎる強化陣形はいくつかある。いたずらにすべての陣形をエディット機能を利用して強化してしまっては、特定の陣形だけが強力となってしまい、面白さを損なってしまう恐れがある。この手の選択肢はどれを選択しても一長一短があり、選択に悩むようでなければゲームの意味がないのだ。

一方で、兵器開発前の陣形はゲームバランスが取れていると言える。ところが、三國志Ⅴにおいて CPU 側は無作為に兵器開発し陣形強化をおこなうが、一方でプレイヤー側は同盟を締結して共同研究するイベントを消化するしか選択肢が無く、難易度が高い。

これらを考慮すると、主要陣営(曹操、劉備、孫権)を中心に、いくつかの陣形を既定で強化しておくように編集すると、それぞれの陣営の個性がさらに際立って面白いと言える。過去にも同様の試みはしたものの、どの陣形を予め強化陣形に設定するかを、今回はあらためて考察していきたいと思う。まずは以前の記事でも掲載した陣形の一覧を再掲する。単純に考えれば、曹操軍は平地、劉備軍は山岳、孫権軍は水軍の陣形を強化するのが良さそうだ。ところが特に平地型の陣形は数も多いため、選抜が必要である。

強化騎兵(錐行):共同研究でしか強化できない。錐行はそもそも移動のための陣形であり、この陣形のままで攻撃・防御が強化されるのは強力ではある。たださほどバランスには影響ないので、既定で強化しても良いだろう。
木牛(箕形):善政を施すイベントで強化できる陣形。箕形は損兵率を低下させる強力な陣形であるため、この陣形がさらに防御の強化と負傷兵の回復までできるようだとかなり強力になる。この陣形を強化するとバランスにかなり影響が出てくる。
軍楽台(鶴翼):ご存知の通り陣形の強化によって将の体力回復が倍になるというバランスブレイカーな陣形のひとつである。これはゲーム性にかなりの影響を与えてしまうため要注意である。
衝車(魚鱗):華陀を捜索するだけという難易度の低いイベントで強化される陣形。強化後も城・関への攻撃力アップという地味な効果なので、これは既定で強化しても良さそうだ。
軽装鎧(偃月):異民族を討伐するイベントで強化される陣形。これは判断が難しい。というのも万能型の偃月で突撃が可能になるとすると魚鱗の存在意義に大いに影響を及ぼしてしまう恐れがある。そこで偃月を強化するなら魚鱗の強化はセットで実施しなければならない。
発石車(方円):共同研究でしか強化できない。最初に紹介した通り、ただでさえ強力な方円の陣が雁行の陣の遠距離攻撃能力を獲得してしまうというとんでもない強化であるため、既定で強化するという選択肢はまずありえない。
強化長弓(雁行):修行し武芸者に勝つイベントで強化される陣形。これは長所をわずかに延ばす程度の強化であるためバランスにはほぼ影響がない。既定で強化しても良いだろう。
鉄車(密集):都市の防御値を 100 上昇させるイベントで強化される陣形。一見、長所をわずかに延ばす程度の強化に見えるが、ただでさえ強力な密集の陣がさらに強化され弱点もある程度カバーされてしまうので、偃月や魚鱗の存在意義に影響を及ぼすため、注意が必要である。
軽弓(八卦):射程と弓攻撃力が伸びる。八卦の陣は元々が地味であるため、これは既定で強化しても良いだろう。
木獣(生者):回復を目的とする生者の陣の攻撃力と機動力が地味に伸びるという謎の強化。これはどちらでも構わないが、回復目的の陣はそれに特化していたほうがゲームバランスとしては自然である。

まとめると、曹操陣営で既定で強化して良さそうな陣形としては、強化騎兵(錐行)、衝車(魚鱗)、軽装鎧(偃月)、強化長弓(雁行)、軽弓(八卦)である。たとえば軍楽台(鶴翼)はゲーム性に大いに影響を及ぼすので注意が必要だし、鉄車(密集)は有力な将が持っていることの多い密集陣形が強化されてしまうため影響範囲が広い。このように陣形の選択肢を固定させてしまうような陣形強化は避けたほうがゲームバランスとしては面白い。

次に劉備陣営であるが、山岳陣形の兵器開発はいずれも強力なものが多い。

連弩(鈎行):損兵率を低下させる強力な陣形である鈎行の陣で、雁行の陣に匹敵する遠距離攻撃能力を獲得してしまうというとんでもない陣形強化である。ただ巴蜀に籠もった劉備陣営の強力さを表現するためにあえて既定で強化しても面白い。
戦車(鋒矢):突撃陣形であるはずの鋒矢が防御も固くなってしまい万能になるというこれまたとんでもない陣形強化である。ただこれも巴蜀における劉備陣営の強さを表現するために同様に強化しても面白い。
虎戦車(衡軛):地味な衡軛の陣が一気に強化される。これも同様の理由で強化で良いだろう。
筒袖鎧(長蛇):こちらも本来なら移動特化の陣形であるはずなのに防御面が強化されてしまうのでかなり強力である。山岳陣形を強化するなら結局すべて強化しなければ陣形間のバランスは取れない。

まとめると、劉備陣営は山岳型の陣形をすべて既定で強化してしまっても、攻略の難しい巴蜀の奥地での強さを表現するという意味では有効であると言える。

最後に孫権陣営だが、これは何も考えず水軍すなわち闘艦(楼船)と蒙衝(走舸)を既定で強化すれば良いだろう。彼らは水軍が強いというのが三國志のシリーズを通しての定番である。

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