三國志Ⅴでは一見地味でも見落とすことのできない存在が多数いる。
婁圭(ろうけい)もそのひとりだ。
本稿では、彼が持つ特異な能力「幻術」について、その価値と育成方針を整理しておきたい。
唯一の幻術使い
婁圭は、黄巾の乱に登場する張角・張宝や、仙人系の特殊武将を除けば、本作中で唯一、既定で幻術を修得可能な将である。
新武将や SP 武将などの架空のキャラクターを導入しない場合、これは非常に大きな意味を持つ。
つまり、彼は「シナリオ 2 以降の通常プレイで登場する唯一の幻術役」なのである。
幻術による破壊力は言うまでもなく戦場で非常に強力である。張角勢やアイテム「遁甲天書」を左慈から得た曹操のような例外を除けば、この特技を自然に会得する将は婁圭だけである。
おそらくこの設定は三国志演義に登場する氷城の計の逸話からとったものであろう。
幻術役がもう一人いる、という価値
遁甲天書を曹操が持つと仮定してみよう。
この場合、曹操が一人で幻術を使えるだけでも十分強力だが、さらに婁圭という「第二の幻術使い」を確保できるのは非常に大きい。
幻術を連発できるという発動率や回数による効果を考えれば、二枚看板で敵軍を翻弄できる価値は計り知れない。
したがって、婁圭を序盤から修行に出すのが定石となる。
時間はかかるものの、幻術を修得して戻ってきてくれれば、軍の戦術幅を一気に広げることができる。
曹操とダブル幻術を繰り出すもよし、曹操の居ない方面軍でも幻術を使える将を配備できるというのもよしである。
成長タイプ 13 の重さ
婁圭の成長タイプは 13 である。
これは最終奥義として幻術を修得するまでに 経験値 45000 が必要であることを意味する。
参考までに、208 年のシナリオ「臥龍出淵」開始時点では、彼の経験値は 31000 である。
つまり、幻術を習得するには あと 14000 の経験値を積まねばならない。
内政で遊ばせていても恩恵は少ないため、やはり修行に出す価値があると言えよう。
陣形としては術に頼る部隊であるため「方円の陣」を憶えると手堅い。
スキルさえ使えればいいので、王異などと同様、勇名はそこまで必要ではない。
軍師にするためにはアイテム以外に政治を 2 ポイント伸ばす必要があり、かなり難易度が高い。
義理と相性の問題
婁圭の義理は 4 と低く、一見すると裏切りやすい印象を受ける。
しかし、相性値は 45 と 曹操と劉備の中間に位置しており、幅広い陣営に馴染める。
なお同値の武将としては、劉表・徹里吉・劉豹・王允・孟達・王威などが挙げられる。
つまり、曹操軍に仕えて忠誠度を 100 に固定しておけば、裏切る可能性はほぼない。
一方で能力値については最近の作品に至るまで一貫して低く、行動回数が少ないことについては配慮が必要である。
まとめ2>
張角や張宝のような異能の存在を除けば、婁圭は唯一、幻術を自力で開花させることのできる凡将である。
時間はかかるが彼を修行に送り、幻術を憶えてもらうというのは十分に価値がある。
注意点としては、年齢が高く 210 年代後半には寿命を迎えてしまう可能性があるため、シナリオによっては修行中に寿命死を迎えてしまうことがある。