三國志Ⅴを買った日以来やり込んで、今まで色々と書いてきた。たとえば仙人との付き合い方としてはさっさと登用して敵勢力に侵攻しわざと捕縛させたほうがアイテム回収効率が良いこと、評定での目標とするのは偶然性に左右されずプレイヤーがコントロール可能な範囲内での目標を設定するのが手堅いこと、難易度については CPU がチートをしまくる超級を選ぶよりエディット機能を活用したほうが楽しめること、その際人口についてはより史実通りに編集したほうがリアルであること、プレイする際はセーブロードを繰り返すいわゆるリロードを禁止にしたほうが楽しめること、新武将を作成する際は 1,2 個目の特殊能力で個性を表現し 3,4 個目で一旦完成するようにデザインすること、その際は能動的に選択するアクティブスキルと常時発動のパッシブスキルについてバランスを考慮すること、などなどである。
さて、ここでズバリ三國志Ⅴにおける最強の陣形について考えてみたい。兵器開発後の陣形についてはすでに書いたが、そもそも兵器開発とは安価かつ短期間で開発できる兵器もあれば高価かつ開発に長期間かかる兵器もある。もちろん後者のほうがより陣形の性能の伸び方は高めの傾向があるのは当然であろう。特に難易度が高いのはもっとも高価かつ長期間な発石車(方円)や、南北の仙人を同時に二人揃える必要がある軍楽台(鶴翼)が挙げられる。これらは当然強化の内容も非常に強力なものとなっている。しかし開発の難易度が高いため、エディット機能で最初から持たせるので無ければ、自ずと開発完了するのはゲーム後半や終盤になる。そういうところでバランスが取れているのだ。ブログ記事によっては方円と鶴翼が最強と書いてあるものもあるが、それは兵器開発を前提にした話であって、開発に成功したとすれば難易度が高いこれらの陣形が強いのは当然である。強化前の雁行と同等の射程・威力を持ち守備力最強の強化方円、一斉攻撃ができ遠距離攻撃も強くて何より体力回復スピードが倍になる強化鶴翼が強い、それはわかりきっている。ただ、ゲームの流れを考え、序盤から終盤を通して終始、汎用的に活躍する陣形は何かという視点で考えたい。その場合、必ずしも方円と鶴翼の二強にはならない。この二つのみを所有していても、水の地形が多い江南を攻略できるかと言えばできないし、素早く敵勢力の急所を突いたり逃げる敵を捕捉してトドメを刺したり足早に逃げたりといったこともできない。結局のところ陣形には一長一短があり、最も強いのは実在する兵法書などを読んでも書いてあるように、あたかも水のように柔軟に適材適所で陣形を選択し、臨機応変に戦うのが最強なのである。ではその中で最強の陣形とは何かと言えば、最低限これさえあれば攻守共に、序盤から終盤まで、様々な局面でも軒並み活躍できる汎用的な陣形が相当するだろう。
三國志に限らずファイヤーエンブレムなど他のゲームでもそうだが、この手のゲームでは位置取りが非常に重要である。そもそも敵の近くまで行かなければ攻撃できないし、敵味方の関係を考慮して有利な位置に陣取ることが勝負を決めることになる。となると、まず機動力の高い錐行がまず挙げられるだろう。ところがこの陣形はご存知の通り騎兵をイメージしたものであり、弓矢による攻撃に対しては無防備に近いほど防御力が低い。したがって特に防戦においては向かないと考えられがちだ。ところが守備であっても、手薄になった敵陣の兵糧を素早く狙いに行ったり、手薄な部隊を狙って一気に包囲しに行ったり、囲まれて不利な状況になった味方部隊を急いで援護しに行ったりなど、使いどころはいくらでもある。したがって機動力の高い錐行・長蛇はゲーム序盤から終盤まで重宝する陣形としては真っ先に挙げられる。長蛇の優位性は山・森限定であるため、汎用性においてはやはり錐行であろう。
次に兵器開発後の鶴翼は体力回復スピードが倍になるため幻術・妖術を駆使する将にはぜひ持たせたい陣形である。ただ、体力回復を倍にするためにはずっと鶴翼でいなければならない点も見過ごしてはならない。術は射程が長いとはいえ、範囲攻撃であるので、最も効果的に使うためには敵部隊が集結している近くまで十分距離を詰めてから仕掛ける必要がある。となると機動力の高い錐行などを使うか、速攻で距離を詰めることになる。陣形を変えれば体力回復の恩恵が無くなるし、速攻を使えばそれ自体に体力を消耗するしスキル欄もひとつ必要だ。 CPU は頭が悪いのでそこまで不便は感じないかもしれないが、仮にこれが対人戦だとするとなかなか上手く使いこなすのは難しいはずだ。また先にも書いたように、そもそも兵器開発自体の難易度が高いため、何も考えず普通にプレイしているとなかなか強化にまで至らない。強化無しだと、包囲して一斉攻撃のトリガーになる、間接攻撃もそこそこ強いということで、中途半端な武力の将に持たせる陣形、という位置付けとなろう。役には立つが最強とは言い難い。
そこで最強候補になるのが、水の地形が必要とはいえ、楼船が候補に挙がってくる。南船北馬という言葉がある通り、水の地形は主に南方に偏っているようなイメージがある。ところが中原での戦いであっても、河川に陣取りながら平地の敵を攻撃したり水上に誘い込んだりすることで、その威力は十分に発揮できる。ただでさえ水軍による地形補正が強烈なため見た目の数値以上の戦闘力が出るだけでなく、兵器開発をすれば守備力に関して方円に次ぐ第二位の堅さを誇り、攻撃力も十分に高い。また水軍が使えることで移動パターンが変わってくる地形というのは、よく調べてみると想像以上に多いのだ。かなり数のマップに水と沼地があるため、敵をうまく水辺に誘い込んで戦うのがプレイヤーの腕の見せ所である。侵攻においては河川や沼地のルートを進軍することで陸軍では出せないスピード感を出すことができ、守備においてもすべての城を守る必要はなくどれか一つが残れば良いのだから水軍に有利な城を選んで守って地形の優位性を活かして戦えば劣勢を覆すことができたりする。注意すべきは敵の仕掛けてくる水計であるため呉の将と戦う場合にはよく敵と味方のスキルを調べておくことが肝要である。また水神と組み合わせれば、水計も無効化することができ、雨天時にはただでさえ堅い防御力がさらにアップするため、まさに無敵となる。直接城を守る陣形としては使えないが、要は敵の侵攻部隊を城に至るまでの水辺で撃破すれば良いのだ。
なお都市防衛において水の地形をうまく活用できる地形としては、襄平、北平、代県、晋陽、平原、鄴、北海、濮陽、洛陽、長安、安定、天水、譙、宛、襄陽、江夏、武陵、長沙、桂陽、零陵、廬陵、鄱陽、寿春、建業、会稽、廬江、予章、上庸、漢中、下弁、梓潼、成都、建寧、雲南が挙げられる。全 47 国中なんと 34 国もあり、北から南まで主要な都市で活用できるのであれば、十分に汎用性があると言っても差し支えないだろう。以上に挙げた都市においては、楼船を最強陣形として活用することが十分可能である。
結論としては、地上戦のための錐行、水上戦のための楼船こそが、序盤から終盤まで様々な局面でも軒並み活躍できる攻守共に役立つ最強の陣形というわけである。