なぜ世界は意味を持つのか

世界に規則性があることと、世界が意味を持つことは同じではない。物理法則は、ある状態から別の状態への変化を記述する。しかし、その変化が好ましいか、避けるべきか、何のために利用できるかまでは決めない。 本稿では、意味を「主体 … 続きを読む

時間はどこにあるのか

時間についての議論が混乱しやすいのは、一つの「時間」という語が、異なる説明対象を指しているためである。相対性理論が扱うのは、出来事の順序、時計の比較、観測者ごとの固有時である。量子重力で問題になるのは、時空そのものを量子 … 続きを読む

偉大なる衰退期は訪れるのか

産業革命以降、人類は人口、エネルギー利用、生産、輸送、通信、医療、教育、専門分業を同時に拡大してきた。本稿では、この複数の成長が相互に増幅した 19〜21 世紀を「偉大なる成長期( The Great Growth )」 … 続きを読む

自由意志とは何か

自由意志は、行為の直前に因果関係を断ち切り、何ものにも決められずに選択肢を一つ選ぶ力として語られやすい。この定義を採ると、行為に原因があれば自由ではなく、原因がなければ偶然になる。どちらの場合も、「自分が理由に基づいて決 … 続きを読む

機械に意識は宿るか

「機械に意識は宿るか」という問いは、SF の題材である以前に、意識・自己・生命をどう定義するかを問う。しかも、この問いは単一の意味を持たない。人間と同等の機能を実現できるか、主観的経験が生じうるか、そして「私」が移ると言 … 続きを読む

光の速度はなぜ有限なのか

本稿は前回の「時間はどこにあり、「いま」はどこで生まれるのか」に続き、有限な光速が時間と因果に何を意味するのかを扱う。 光に質量がないなら、無限の速さで進んでもよさそうに見える。しかし特殊相対論では、真空中の光速 \(c … 続きを読む

時間はどこにあり、「いま」はどこで生まれるのか

「なぜ現在の私は、過去や未来の私ではなく、現在の私なのか」という問いは、一見すると同語反復に見える。しかし、宇宙全体に一つの「今」があり、その一点に自分が置かれていると考えると、なぜこの時点だけを現在として経験するのかと … 続きを読む

記述と説明の限界について

物理学と哲学は、扱う対象も、主張を正当化する方法も異なる。物理学の仮説には数式化と観測による検証が求められ、哲学の議論には概念の区別と論証の整合性が求められる。両者を同じ説明体系へまとめることはできない。 それでも、両者 … 続きを読む

レプトンの世代構造は、空間ではなく時間方向の構造が投影された結果か

粒子は、日常的な小さな物体としてではなく、量子場の励起状態と相互作用の規則によって記述される。本稿では対象をレプトンに絞る。電子、ミュー粒子、タウ粒子は、同じ電荷と相互作用の規則を持ちながら、質量が大きく異なる。対応する … 続きを読む