クオリアは脳だけでは説明できない

人工ニューラルネットワークは、人間の脳を模倣した技術だと説明されることが多い。しかし、そこで抽出されたのは、神経細胞どうしの結合を参照した情報変換の原理であり、人間の脳や生命体を縮小して複製したものではない。実際の人間で … 続きを読む

生命への問いを設計する科学

京都大学などの研究グループが発表した「ごちゃまぜ人工基質法」は、新しい酵素を多数見つけた研究である。同時に、それは生命科学における問いの作り方を変える研究でもある。研究成果としてまず重要なのは、ペプチドへ脂質を付加する新 … 続きを読む

赤く見える世界は、分子から始まる

赤い果実を見つける。緑の葉の中から、熟した実を見分ける。相手の顔色から、怒り、緊張、発情、体調の変化を読む。これらは日常的な経験であるため、色は物の側にそのまま備わっている性質のように思いやすい。赤いリンゴは赤い。緑の葉 … 続きを読む

秩序はどのコストで維持されているのか

秩序は、ただ存在しているのではない。とくに生命、神経活動、心拍、体内時計、知能のような秩序は、静止した形として保存されているのではなく、外部からエネルギーや物質を受け取り、内部で変換し、熱や老廃物を外へ出しながら維持され … 続きを読む

左回りに歩く人間から科学を考える

人が自由に歩くとき、時計回りと反時計回りは同じくらい現れるように思える。広場を歩く。部屋の中を歩く。人を避ける。壁に近づいて方向を変える。どれも日常的な行動であり、そこに大きな謎があるようには見えない。人が歩くという行為 … 続きを読む

岡本太郎はなぜ矛盾を消さなかったのか

岡本太郎の作品は、しばしば一言で説明しにくい。明るいのに不気味であり、原始的なのに近代的であり、滑稽なのに恐ろしく、祝祭的なのに死の気配を含んでいる。これは、作品の意味が曖昧だからではない。むしろ、複数の力が同時に強く立 … 続きを読む

AI に任せる前に、人間が残すべき判断

AI を使うことは、もはや特別な行為ではなくなった。文章を整える、情報を整理する、案を比較する、説明文を作る、反論を出す、表を作る。こうした作業は、AI に依頼すれば短時間で形になる。以前なら時間をかけて組み立てていた下 … 続きを読む