挑発の重要性については以前も書いた通りで三國志Ⅴにおける非常に強力な崩し技のひとつである。敵部隊を行動不能にできる混乱と似た効果があり、混乱は一時的に無陣状態となるため追加攻撃と組み合わせて大ダメージを与えるのに向いている。一方、挑発のほうは混乱より持続ターン数が長いため、逃さずに捕縛したい敵将を挑発状態にできると退却を阻止することができるので効果的だ。また挑発状態では挑発した者を追いかけて攻撃する以外の行動がとれないため、敵のアクティブスキルを封じるのにも有効である。幻術・妖術や占卜のような強力な技の対策としても使えるし、水計・土砂や乱射や威風などによって味方の複数部隊が損害を受けるのを防止するのにも使える。対応の難しい特殊能力の組み合わせについて、ほとんどの対策として有効に機能する。猛将を誘い出し包囲して一斉攻撃するのも容易である。三國志Ⅴにおいて挑発は非常に優秀な絡め手であると言えよう。
さて、挑発以外に敵のアクティブスキルを封じる技はあるだろうか。ここで第二の手段として登場するのが潜入である。
潜入は成功すると敵将の体力を 60 減らすことができ敵将を負傷させることもある。負傷した場合敵将の体力はほぼ 0 になる。これにより体力を消費するアクティブスキルを封じることができる。張角の幻術・妖術、諸葛亮の天変、龐統の占卜、諸葛瑾・諸葛恪の水計、蒋琬の落石、魯粛の心攻など厄介なスキルの対策として有効である。潜入の射程は 5 であり、術系のもっとも脅威である幻術だとか弓神・遠矢・陣形による最大射程である 4 を超えているためこれらの射程外から放つことができる。
また挑発の欠点として知力の高い敵や沈着スキルを持つ敵には成功する確率が低い。多数の挑発スキル持ちを集めしつこく挑発し続ければ知将相手にも通じることも稀にあるが、基本的には冷静沈着な将には通用しにくいという欠点がある。これに対し潜入は武力・野望が高く悪人であるほど成功しやすいという変則的な特性を持つスキルであり、知力の高い諸葛亮・龐統・魯粛・張角・諸葛恪・蒋琬・諸葛瑾といった軍師のアクティブスキルを封じる手っ取り早い手段として有効である。
一方で体力を消費しないタイプのアクティブスキルや、パッシブスキルの対策としては機能しない。例えば劉備などの持つ幸運スキルは敵に落雷をもたらすことがありこれは封じようが無い。そのため劉備は強敵であると以前書いた。なお、幸運スキルは占卜と違って味方にデメリットをもたらすのが城全部火計だけであり、これも占卜のそれと異なり敵軍が城を占領していないときには発動しない。ちなみに占卜の城全部火計は城の占領状態に関係なくたとえ城が無人でも発動する。
猛将相手にも潜入は成功しにくいため、黄忠の弓神対策としても機能しない。このような猛将対策としては前述の通り挑発のほうが有効である。
また混乱や同討など体力を消費しないアクティブスキルの対策にもならない。混乱は特攻や鉄壁が解除され無陣状態となるため隣接していると敵が仕掛けてくることの多い計略のひとつである。
混乱は沈着スキルで無効化できる上、反計で仕掛け返すこともできる。沈着や反計はたとえ挑発に引っかかった状態であっても有効である。また敵の知力が高いと成功しにくい。それでも CPU の場合、乱数を覗き見て成功する時を狙って仕掛けてきたりするので厄介である。
混乱や挑発が沈着持ちに通用しにくいのに対し、潜入スキルは沈着・反計持ちに対しても容赦なく成功するし、射程が長いので遠くから仕掛けることができるため敵の攻撃による被害を受けにくい。
やはり挑発と並んで敵のスキルを封じる射程の長い支援技としてうまく活用していきたい。潜入スキルを持つ実戦向きの優秀な将としては司馬懿、程昱、賈詡、法正、司馬師、司馬昭、司馬炎、鍾会、公孫淵、董卓、袁紹、李通、王凌などが挙げられる。