三國志Ⅴでは三大勢力、いわゆる曹操・孫権・劉備の陣営においてはそれぞれ強みが異なりゲームバランスが保たれている。今回はそれぞれの陣営の強みについてあらためて考察してみよう。

<曹操軍>
曹魏は三国のうち最大の軍事力・生産力を誇り人材も豊富である。領土としては許都洛陽長安といった生産力の高い難攻不落の都市を多くのシナリオで保有しており、人材においては郭嘉荀彧荀攸程昱・賈詡・司馬懿・陳羣・楊修など数多くの謀臣を抱えている。以前に書いた通り三國志Ⅴにおける軍師は勇名に関係なく最大の兵数である 20000 人を統率でき陣形を即時変更することができる。また将軍位の序列からも独立するため敵勢力よりも多くの兵数にて進軍するために欠かせない存在である。前線に軍師による壁を配備し後ろから夏侯惇や張遼など軍事力に長けた将軍らによる速攻・突撃を繰り出すことで史実通り魏軍の強さを再現することができるだろう。また曹操の時代だけでなく曹丕・曹叡の時代も国力や人材において最も優れており、前半から後半までほぼすべてのシナリオを通して最強勢力という意味では天の時を味方にしていると言えるだろう。

<孫権軍>
孫権軍の強みは何と行っても水軍である。ほとんどの将が水上で戦う陣形を保有しており、水計や水神スキルを保有する将も多い。そのため孫呉の地を攻略するのはこちらも水軍を保有していない限り非常に困難となる。また三大勢力の中で水に長けている他にも平地・山岳にもそれなりに対応できるので地の利を味方にしやすい。周瑜・陸遜・呂蒙・魯粛・諸葛瑾のような戦える軍師や程普・徐盛・朱桓・呂岱など知勇に優れた将が多いことも特徴である。

<劉備軍>
劉備は三国志演義で主人公として扱われるだけあって諸葛亮や五虎大将軍がゲーム上においても特別に優遇されている。諸葛亮は言わずもがな最高の知力と占卜・天変のような人智を超えたスキルを持ち、黄忠や趙雲は史実の将ではゲーム上最強クラスの戦闘能力を有しており、これらトップクラスの人材が他にも関羽・張飛・馬超などいるのだからさすが演義における主人公勢力といったところだろう。他に龐統・徐庶・姜維といった優れた軍師も備えている。ただし国力は三国の中では最も劣っており、また全時代を通して満遍なく優秀な人材に恵まれた曹魏勢力と比較すると一部のスーパースターのみに依存しがちという脆さもある。確かに一部の個人は飛び抜けた能力を持つのだがそれ以外の人材が乏しいのである。これらエース人材は例えば曹操でプレイしていても圧倒的な軍事力で制圧した上で降伏させて配下に加えることができる。ただその場合、曹操軍の古参の将より趙雲や黄忠などが優秀であるため先鋒が元劉備軍の将ばかりといった事態になりかねない。これでは一体どちらの勢力でプレイしているのかよくわからなくなってしまうという問題がある。ただそれくらいゲーム上では一部の人傑の能力が突出しているということである。関羽のように神格化された将まで存在するという意味では人に恵まれた勢力であると言える。

このように見てみるとそれぞれ天・地・人に象徴される勢力にデザインされていると考えることもできるだろう。やはり三國志Ⅴはよくできたゲームである。

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