三國志Ⅴにおけるアイテムは、本来ならどんな人物も等しく特殊能力を 6 つだけ習得するという原則を無視し、追加の特殊能力を会得できるものが多々存在する。「幻術」「弓神」「全陣形習得」など非常に強力なスキル・效果を付与するものもある。さらに三國志Ⅴでは DS3 版から仕様変更され、アイテム授与によって知力 90 政治 80 以上となった場合、軍師としての資格を得ることができる。したがって特に知力上昇アイテムは重宝する。一方、アイテムの数・種類には限りがあるため、どのアイテムをどの将に持たせるのかは非常に悩ましいところである。軍師候補に対して知力上昇アイテムの数は少なく、誰を軍師に育てるべきか、そしてスキルが重複しないよう、どのアイテムを誰に与えるべきかは重要な選択となる。当然ながら元々身につけていたスキルとアイテムによって付与されたスキルが重複した場合、まったくの無駄となってしまう。そこで重複が発生しないよう、またそれぞれの将の役割に応じた追加スキルを会得できるよう、アイテムの配分には頭を悩ませがちである。
前回まで水軍が必要な難攻不落の都市を数多く抱えた孫権領を廬江、江夏、長沙、予章、建業と攻略しエンディングを迎えるまでの記録を示してきた。これらを通して具体的にどの将にどのアイテムを持たせたか、結果はもちろんのことその考え方から備忘として記していこう。
まず軍師候補と言えば趙雲である。趙雲は知力が 88 でありアイテムをひとつ持たせることで軍師に育てることができる。趙雲はどういうわけか光栄シリーズでは非常に能力の高い将として設定されているため何を与えるのか迷うところである。
攻略の当初は山海経(天変・占ト)としていたが、最終的には墨子(落石・籠城時防御アップ)がふさわしいと判断した。根拠としては趙雲は速攻スキルを多用し攻撃にも優れているため基本的に毎ターン忙しい最前線のユニットである。したがって天変などのアクティブスキルとは噛み合わないし、威風スキルもあるので幻術・妖術スキルもやや重複気味となってしまう。一方でパッシブスキルが身に付く墨子であれば、たとえ侵攻時でも趙雲が敵の城を落として占拠したまま次の戦術を展開するケースも多々あるため、無駄になりにくいと判断した。趙雲は方円の陣と無双・沈着スキルもあるため侵攻だけでなく城の防衛にも優れており、都市防衛戦の場合は籠城時防御アップだけでなく落石スキルを活かすこともできるだろう。武器は今回は青紅の剣としたがこれは基本的に何でも良い。趙雲は一騎打ち時に武力が +5 補正される代わり、先制攻撃や不意打ちをしないという内部的な補正がかけられている。青紅の剣の先制攻撃ヒット率アップは無駄になってしまうため、あれば方天画戟や青龍偃月刀などでも良い。
続いて関羽。すでに書いたように赤兎馬は関羽に向いていない。
赤兎馬によって騎射スキルが身に付くが、関羽の場合は遠矢・火矢スキルが無い。遠くから雁行の陣で弓矢など撃っていないで、自慢の高い武力・勇名を頼りに直接攻撃したほうが強いのである。そこで速攻スキルが使える爪黄飛電を名馬として与えてある。関羽は速攻スキルが無いと機動力に難がありせっかくの攻撃力が無駄になってしまうため、速攻スキルが身に付くアイテムが向いているだろう。
司馬懿は知力上昇アイテムをひとつ与えることで知力 100 の軍師になる。そのため趙雲と並ぶ知力上昇アイテム授与候補であるが、何を与えるかは重要である。
こちらは太平要術の書(妖術)がふさわしいと判断した。もちろん遁甲天書(幻術)や山海経(天変・占ト)を与えても良いのだが、司馬懿の場合、挑発・潜入・落穴といった搦手を繰り出すことがよくある。また諸葛亮との差別化として機動力の高い錐行・長蛇の陣を使えるため、敵の近くまで行って壁役をすることもままある。もし司馬懿を幻術役にしてしまうと搦手を駆使して体力消費するのが惜しくなってしまうため本来の持ち味が薄れてしまうのだ。またせっかくの機動力を活かしたいので天変役にするのも惜しい。そこで妖術役とするのが良いという考え方である。
では山海経(天変・占ト)を誰に持たせるかであるが、郝昭が適任である。アイテム授与によって郝昭も軍師の資格を得ることができる。郝昭は体力を消費するアクティブスキルを持たず、また足が遅いユニットであり、鶴翼・方円の陣が使える。そこでマップ上の位置に関係なく発動できる天変・占卜スキルを使うことで、味方部隊全体に貢献することができる。
曹操との相性もピッタリで義理も最大値の 15 であり、諸葛亮に対抗して魏の天変・占卜役として活躍できる。なお郝昭が寿命死した場合、その頃には司馬昭が成人し修行に出ているであろうから、修行から戻った司馬昭に山海経(天変・占ト)を与えるとちょうど良いだろう。
張遼に与えるのは本来なら兵法二十四編(陣立)が望ましい。なぜなら張遼は既定で平地・山岳・水上の陣形を網羅し速攻スキルもあるため、陣形を即時変更できるようにすることでさらに全地形に対応して柔軟に活躍できるからである。しかし政治が 1 ポイント上昇した場合はアイテム史記を与えることで軍師に届くようになる。軍師となった場合、陣立スキルは既定で使えるようになるため、この場合は他の知力上昇アイテムと交換するのが良いだろう。なおアイテムによって軍師となった将から知力上昇アイテムを没収する場合は注意が必要である。最大兵数 20000 から 8000 に低下することで差の 12000 が予備兵になるが、この予備兵が訓練・士気共に 0 になってしまうというバグが存在する。そこで軍師の資格を剥奪する際にはあらかじめ兵数を減らしておくか、他の知力上昇アイテムを予め与えて軍師の資格を喪失しないようにする必要がある。
今回は史記と適当な知力上昇アイテムとして六韜(反計)を与えた。張遼も趙雲と同様、最前線で忙しく活躍するユニットであるため、できればアクティブスキルよりパッシブスキルが付くものが望ましいと言えよう。
以前も書いたように赤兎馬は遠矢・火矢スキルを有する将に与えると騎射スキルを十二分に活用できるのでアーチャースキルを多数持つ曹丕などに与えると役立つ。曹丕には青嚢書を与えることで治療・激励を使えるようになるため負傷兵・士気回復要員にもなる。また前述の通り張遼に与えるはずの兵法二十四編(陣立)が余った場合、これも曹丕に持たせれば陣形を変えながらさらに柔軟な立ち回りが可能となる。
似たようなアイテムで太平清領道がある。これは鶴翼の陣が使え陣形の即時変更ができる将に与えるのがふさわしいだろう。曹操軍の場合、郭嘉や夏侯惇あたりが候補となる。郭嘉は体力消費するスキルが心攻くらいしかないので仙術役にピッタリだし夏侯惇は陣立スキルと鶴翼の陣が使える勇名・武力の高い将なので戦場に連れて行きやすいし、いずれも後方都市で有力な将が病に倒れたときの駆け付け役としても適任である。
最後に呉子(水計・同討)だが劉曄に与えるのが良いだろう。これと政治上昇アイテムを組み合わせれば軍師の資格を得られるし、劉曄は方円の陣や混乱・落石・落穴・伏兵なども使え、壁役軍師の仲間入りができる。曹操との相性も良く義理も高く長寿でもある。